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2017年5月20日(土曜日)

5月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 14時47分51秒

 残業の上限規制づくりでもめた繁忙期の100時間「以下」と「未満」は、結局「未満」に終着した。ということは、99時間59分59秒までは許されるということだ。それでも、100時間は残業させないというお墨付きを与えたということで、長時間労働の業界に一石を投じたことになるのだろうか。

 利息制限法は、
  元本の額が10万円未満の場合           年2割(年20%)
  元本の額が10万円以上100万円未満の場合    年1割8分(年18%)
  元本の額が100万円以上の場合          年1割5分(年15%)
と利率を定める。

 そして、出資取締法は、年109・5%を超えて利息を取る者には、5年以下の懲役を科する旨定めている。1円の違い、0・000…1%の違いで、利率が変わったり、刑罰を科されたりする。

 しかし、どこかで線引きをしなければならないのが、法律の世界なのだ。


2017年5月10日(水曜日)

5月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 14時38分48秒

 いま私は、現役で結構忙しい毎日を送っているが、夫は、定職がない。

 そこで、夕食の支度は、原則夫がすることになる。

 私が帰宅すると、食卓には、食器が並べられていて、すぐ食事にかかれる。その日の料理に合わせて、白ワインか赤ワインか、アルコールの選択も夫がする。最近の絶品は、豚肉とりんごの生クリーム煮、鯛のソテーと新玉葱の炒めか。
 夫は、料理を楽しんで、「コッコヴァン・ア・ラ・フジタ」とか、「タルタール・ア・ラ・フジタ」とか料理に自分の名前をつけている。
 結婚した時も、自分は「主夫」になりたいと言っていたし、いまその主夫の仕事に心底安住しているようだ。

 2・3年外国での留学生活を終えて帰国した若い大学の先生が言うことは、外国で生活していた間はゆとりがあって、育児を十分することができ、子どもとの生活を楽しんで、子どもの成長と共に日々を送ったが、帰国すると、とてもそんなゆとりはなく、日々仕事に追われ、帰宅時間も遅く、子どもと接する時間もなくつらいという嘆きである。

 始めから仕事人間で、育児を妻任せにしている男性にはわからないかもしれないが、料理や育児は男性にとってもなかなか魅力的な仕事なのだ。

 最近は、一昔前よりも育児・家事を男性が担う時間が増えたということだが、夫婦双方にとって喜ばしいことだと思う。


2017年4月20日(木曜日)

4月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 17時12分02秒

 A子は夫と協議離婚することになった。問題は、いつ離婚届を出すか。

 A子は、4月から新たな気持ちで生活したいので、3月中に出したい意向、夫は、婚姻届をした日が4月10日で、少なくとも3年は結婚生活をしたという実績がほしいので、4月11日以降に出したいという。

 私は、他の条件がすべて合意できたので、届出をいつするかなんてどうでもいいではないかと思うのだが、2人とも譲らない。

結局、夫が支払う解決金を50万円減らして、A子の言い分通り3月中に届出することにした。

 50万円に代えられない程の気持ちの持ちようなのだ。


2017年4月10日(月曜日)

4月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 17時09分38秒

 法廷で、弁護士の一番の腕の見せ所は証人の反対尋問である。

 主尋問は、こちらが申請した証人なので、予め証人と打ち合わせをし、要領よくスムーズにいくが、反対尋問は相手方申請の証人なので、原則こちら側に敵意を持っていることが多く、こちら側に不利なことばかり述べる。それを矛盾を衝いたり、違う証拠があることを示したりしてだんだんに証言の内容を崩していく。

 私の経験で、法廷で相手方証人を反対尋問で追いつめていったところ、証人が答えられなくなって「裁判長、ちょっとトイレに行っていいですか」と言い、休廷になったことがあった。休廷中に、相手方弁護士と打合せをしたのであろう、その後はスムーズに答えられるようになった。しかし、なおも私が問い詰めると、相手方証人は、再び言いよどむようになった。そしたら、裁判長が「またトイレに行きますか」と言ってくれたので、この裁判長はわかってくれているなと嬉しく思ったことがある。

 国会での質問をよくラジオの中継で聞く。
 質問の仕方が生ぬるいと腹立たしい限りだ。
 森友学園の運営する幼稚園で、園児に教育勅語を暗唱させたり、園児が「尖閣列島、竹島、北方領土を守り、日本を悪者として扱っている中国、韓国が心を改め、歴史教科書でうそを教えないようにお願いします」と述べ、さらに「安倍首相がんばれ、安倍首相がんばれ。安保法制国会通過よかったです。日本がんばれ。エイ、エイ、オー」と唱和したりしていたことを知って驚きだったが、これを追及する野党が甘い。

 総理の理事長に対する評価が変わったのはなぜか、夫人が名誉校長を引き受けたこと、辞めたこと、学園の教育方針のどこに共鳴したのか等々突っ込み所がいくらでもあるのに、通り一遍の質問で逃げられてしまう。

 私が一番苦心するのは、患者の立場で、医師の反対尋問をする時だが、医師の証言を幾通りも想定して、ああ答えたら次はこう、こう答えたらその時はこうといくつも質問の仕方を変える。

 国会議員にも、もっと尋問技術を勉強してほしいものだ。


2017年3月20日(月曜日)

3月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 15時35分11秒

 建築・修繕トラブルが多い。
 原因は、最初にきちんとした契約書を作っておかないからだ。また、最初に契約書を作っても、途中で修正や追加工事が発生すれば、それについても、契約書を作ることが必要だ。

 A建設会社の社長が相談に来た。
 当初3千万円での家屋の新築工事を請け負ったが、施主が材料のグレードアップを要求したり、出窓の追加工事を依頼するので、A建設会社が「それでは、3千万円では収まりませんよ」と言うと、施主は、「後で追加分を払う」と言うので信用したが、いざ工事が終わると、施主は、3千万円以上は払う義務はないと言って、払ってくれないという。

 その都度、追加請負契約書を交わしたり請求書を出さなかったA建設会社の言い分は、そう簡単には認められない。
 当初の仕様書と実際にできあがったものと比較して主張するのが一仕事だ。
 いくらA建設会社が仕入帳や打ち合わせメモを出しても、それはA建設会社の内部資料なので、施主に「そのようなものは認められない」と一喝されると弱い立場だ。

 せめて、引渡を拒否すれば良かったのに。
 
 何でもかんでも施主を信用したA建設会社は、裁判を起こすにしても、高い授業料を払うことになるのだ。


2017年3月10日(金曜日)

3月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 15時33分43秒

 最近高齢者の自動車事故のニュースが多い。高齢者の運転免許証の返納を推進しているようだが、70歳の私も、いつまで運転できるかと不安になる。

 以前は、ビュンビュン飛ばして速度違反で検挙されたことが何度かあったが、この5〜6年は、我ながらおとなしく慎重な運転になったと自負している。私は、マニュアル車を運転しているが、今度車を買い換えようと思ったら、マニュアル車種がほとんどなくなっているので、オートマチック車にせざるを得ないと思っている。

 久坂部羊という医者が書いた小説「老乱」を読み終えたが、認知症を介護する側とされる側の気持ちが非常によくわかる。75歳からを高齢者とする、という呼び方の問題ではなくて、一人一人の健康状態によって、できることの差が大きいのだ。

 弁護士や開業医には停年がないので、自分で仕事を辞める時を決める。私の周辺でも、弁護士登録を抹消したという知人が何人もいる。

 私は、娘と一緒に法律事務所をやっているので、娘に、私が仕事に耐えられなくなったら、他人から言われる前に言ってねと頼んであるが、娘に客観的な判断ができるだろうか。

 しょっちゅう物をなくして探し回ったり、時間を勘違いして、「あっ、私、ボケた、ボケた」と言うと、事務員に、「先生、昔からですよ」と言われる。

 これは、安心していいことなのだろうか。


2017年2月20日(月曜日)

2月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 11時55分24秒

 土木会社の社長が、若い社員A君を、私の事務所に連れて相談に来た。

 別れた妻からA君に不貞の慰藉料を請求する内容の訴状が届いたのだという。

 A君は、妻が暴力を振るったり、口うるさくなじったりするので、帰宅するのが嫌になり、車の中で寝泊まりしていたのを、浮気して外泊したと勘違いされたのだという。結局A君と妻は、財産もなく、子どももいなかったことからやり取りなしで協議離婚したが、今回突然裁判所から訴状が届いたとのことであった。

 専ら社長がしゃべる。
 「こいつは、本当に気のいい奴で、女房の言うことは何でも聞いてやって、給料もすべて女房に渡していた。女房は、自分の高価なアクセサリーとかばかり買って、こいつは弁当も小遣いも持たされないで、ひたすら働いていたんだ。むしろ、女房から慰藉料を取ってやりたいくらいだ」とまくし立てる。

 A君はというと、「もう別れたから、こちらから請求するなんてことはしないでいいんです。300万円の請求だけれど、100万円位なら給料から分割で払ってやってもいいんです」と言っている。

 社長は、「弁護士費用はオレが出してやる」、「お前がどんなにまじめだったか、浮気なんかとんでもないという内容で、他の社員から陳述書を取ってやる」と一生懸命だ。

 土木の仕事は、「3K」と言われ、なかなか働き手を確保できない中で、A君は、きっとよく働く、真面目な気持ちの良い青年なのだろうと、私も、A君のためにできるだけのことはしてあげようという気持ちになった。 


2017年2月10日(金曜日)

2月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 11時53分33秒

 この冬、知人、親戚、何人もの人が亡くなった。お通夜やお葬式にもずいぶん出席した。

 以前は、畳の上に正座して何十分もお経を聴いているのが辛かった。最近は、イス席が多く、痺れたりする辛さはなくなったが、長いお経には閉口する。私は、特定の宗教を持っておらず、お経の文言を解する能力などまるでない。

 そこで、私は、考えた。
 私の葬式の時は、お経はなしにして、その代わりモーツァルトのレクイエムを流してもらおう。東日本大震災後、毎年3月11日に電力ホールで、モーツァルトのレクイエムを演奏する「3・11祈りのコンサート」に、私はヴィオラを弾いて参加してる。それを演奏をCDにしてある。演奏時間は、約50分。その間に、参列者に白い菊かカーネーションを壇上に飾ってもらう。

 私の母は、ブラームスのヴァイオリン協奏曲が大好きで、これを通夜の席のバックミュージックにしてほしいと言っていたので、その通りにしたが、通夜の曲にしては、ちょっと騒騒しかった。
 夫の兄は、グリークラブで歌っていたのを通夜のバックミュージックにしていたが、これは結構良かった。

 モーツァルトのレクイエムは、まさに葬式にぴったりの曲。

 CDを今から子どもたちに預けておこう、葬式用の写真と共に。


2017年1月20日(金曜日)

1月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 10時30分22秒

 夫婦の間で離婚話が進んでいるが、子どもに、それをいつどのように話すのか、悩んでいる人が多い。

 別居していても、「お父さんは、いま遠いところにお仕事に出掛けていて、しばらく帰って来られないの」と言ったり、いま大切な受験時期だから、受験が終わったら話そうと思ったりする。

 A子も意を決して、小学校5年生の女の子に話をしたら、ケロッとして「シングルマザーだ、頑張れ」と言われて、ホッとしたという。

 まさに、案ずるより産むが易しだ。

 それに対し、B子は、中学3年生の女の子に話したところ、「お父さんのどこが悪いの。ちゃんと働いて、優しくて、離婚しなきゃならない理由なんてないじゃない」と反発された。

 離婚原因は、性生活の不一致、夫に好きな男性がいるということで、とても中学生の娘には話せない。
 せめて、大学生くらいになったら、私の悩みがわかってくれるか、いやいや娘も結婚しなければ、わかってくれないか。
 娘が結婚前に本当のことを言ったら、男性不信で結婚できなくなるのではないか、とB子の心は千々に乱れている。


2017年1月10日(火曜日)

1月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 10時28分32秒

 いつからか、何でも受け身で言うようになったのか。

 「今日の司会を務めさせていただきます○○です」は、まだ良い。
 「資料は、机の上に置かさせていただきました」は聞きづらい。
 国会の答弁を聞いても、「視察させていただいた」、「負担させていただくことを検討させていただきたい」等々。なぜ断定的に「視察した」、「負担することを検討したい」と言わないのだろう。

 先日も、ラジオでレポーターが、「私も今年で40歳にならさせていただいて……」などと言っている。いったい誰がならせたのだ?

 私がある会社に通知書を出したのに、未だ回答書が来ていないので、電話で催促した。「もう2ヶ月も経っているじゃないですか」と言ったら、「そうですね。確かにおふた月になりますね」と言われた。おふた月?

 丁寧な言葉を求めているのではない。丁寧で、誠実な対応を求めているのに。


2016年12月15日(木曜日)

12月15日

カテゴリー: - fujitasougou @ 17時52分14秒

 選挙で投票できる年齢が、20歳から18歳に引き下げられたことを契機に、「少年法が適用される年齢も、現在の20歳未満から18歳未満へ引き下げるべきだ」という議論が起きている。

 少年法の年齢引き下げに関する世論調査によると、反対よりも賛成が多い傾向にある。その背景として、「少年非行が増加している。凶悪化している」という認識があるようである。

 そこで日弁連では、次のような主張をし、少年法の適用年齢を引き下げることに反対することを呼びかけている。

 現在、家庭裁判所で扱われる少年の約5割を18・19歳が占めている。つまり、仮に少年法の適用年齢を18歳未満に引き下げると、これまでの約5割の少年が少年法の手続の対象外となり、専門的な調査や教育的働きかけを受けられなくなってしまう。少年事件については、原則としてすべての事件を家庭裁判所に送致しなければならない。家庭裁判所の任務は、非行の結果の重大性で画一的に処遇を決めるのではなく、少年の非行の原因と背景を解明して、少年の立ち直りにとって最も適切な処遇を探ることとされている。

 成人も少年もただ罰を与えさえすれば、自動的に改善・更生する者ではない。特に、少年は成長過程にあり、未成熟で、少年犯罪・非行の多くは、少年の資質や能力と生まれ育った環境に大きく関係している。そのため、指導の余地も大きく、変化が期待できる20歳頃までは、適切な処遇による改善効果も高い。

 家庭裁判所は、少年審判のため、必要があると判断した少年については、少年鑑別所に送致する。少年鑑別所では、鑑別技官が検査や少年との面接を実施し、「鑑別結果通知書」にまとめる。これは、家庭裁判所での審判の重要な資料となり、少年院や保護観察所における処遇の資料になる。

 家庭裁判所の調査官は、少年との面接のほか、保護者・学校・職場・被害者から情報を得て、少年の成育歴や心身の状況、家族・交友関係や生活状況、さらには被害の状況などを調査し、「少年調査票」にまとまる。

 鑑別・調査の結果を踏まえ、家庭裁判所の審判で、処分が言い渡される。

 保護観察や少年院送致などの保護処分は、刑罰とは異なり、少年の未成熟性に着目した教育的働きかけによって、少年に自らの行為の意味を理解させ、社会的不適応の原因を除くことが目的である。自らの行為や過去の生活態度と向き合わせ、さらに被害者の苦しみにも直面させるなどしながら、少年の再非行を防ぎ、立ち直りを目指している。

 仮に、少年法の適用年齢を18歳に引き下げることになれば、「子ども・若者育成支援推進法」(2010年施行)が困難を抱える子ども・若者の成長発達に対する国・地方公共団体の支援施策の重要性を確認したばかりであることとも矛盾、逆行する施策となる。

 そして、何よりも、これまで少年法の適用を受けてきた若者の多くを、「自己責任」の名の下に、家庭裁判所の手続から放出することになり、結果として、少年の立ち直りと成長支援の機会を奪い、ひいては再犯者を増加させ、新たな被害者を生み出すことになりかねない。

 このような少年法の適用年齢を18歳に引き下げる法案に、弁護士の多くは反対している。


2016年11月20日(日曜日)

11月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 17時39分09秒

 B夫は、妻の不貞が発覚したので、離婚することにした。

 妻も浮気を認め、100万円をB夫に払って、離婚することになった。

 さらに、B夫は、妻に次の要求を出した。
  1 妻の浮気相手は、妻が勤める同じ会社の同僚であるので、妻は会社を辞めろ。
  2 もう妻の顔を見たくもない。同じ街でバッタリ会うのは嫌だから、県外へ出て行け。
  3 オレの○○姓は名乗らせない。姓を元の姓に戻せ。

 しかし、いずれも強要はできない。

 妻が、離婚後の姓を元に戻すのか、このまま夫の姓を名乗るのか、どこに住んでどこに勤めるのか、それはすべて妻の自由なのだ。

 慰藉料は、強制執行してでも取れるが、それ以上の要求は無理だと知って、B夫は、憤懣やるかたない気持ちでいる。


2016年11月10日(木曜日)

11月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 17時37分02秒

 A子は、バーで飲んでいる時に隣の席の男にからまれ、口論となった挙げ句、顔面を殴られてケガをした。
A子は、相手の男を処罰してもらいたくて刑事告訴をしたが、民事的なお金の問題は解決しないので、損害金と慰藉料を請求すべく私の事務所に依頼に来た。

 話し合いで決まるかなと思い、調停の申立をした。

A子は、治療費の他に、顔に傷が残り、これまでのような接客業ができなくなった損害、それが原因で鬱になったことによる将来の不安に対する慰藉料を請求したが、相手の男は、A子の顔の傷は目立たない、鬱になった原因は他にあるだろう等と反論し、A子が請求した金額の5分の1にも満たない額しか払うつもりはないと言う。

 これまで3回の調停は、双方本人も出席して、調停委員も交えて1回につき、2時間近く話し合ったが、合意に至らなかったので、仕方がない、本裁判にしようということになり、提訴した。

 本裁判の1回目の期日(法廷)の前に、A子は、興味ある友人3人を連れて来たいと連絡して来た。調停は非公開だが、法廷は誰でも傍聴できるので、「いいですよ」と私は答えた。「ただ、法廷での1回目の弁論は、たった2〜3分で終わりますよ」と言うと、A子は驚いた。A子は、私の隣に座り、裁判官からいろいろ聞かれて、その場で自分の意見を述べられるとばかり思っていたのだ。

 実際の裁判とは、たとえば、10時指定の事件が、5〜6件ある。
 傍聴席に弁護士あるいは本人が座っている。裁判官が入廷して、廷吏が事件番号を読み上げると、その事件の当事者が、それぞれ原告・被告席に着く。訴状や答弁書は、前以て提出してあるし、裁判官も、それに目を通しているので、法廷でいちいち読み上げることはしない。裁判官が、答弁書に対する再反論や証拠があれば、それをいつまでに提出するように言って、次回期日を決める。それでおしまい。
 そして、廷吏が、次の事件番号を読み上げる。こうして、11時までの間に5〜6件片付く。

 11時からは、弁護士がついていない本人訴訟を、これは1件に20〜30分時間を取る。本人は、きちんとした書類を提出しないし、提出しても何を書いてあるのか要領を得ないことが多いので、裁判官が本人にいちいち釈明をするので、時間がかかるのである。

 午後は、証人尋問に充てることが多い。1件で2〜3時間かかる。

 私は、A子に言った。「本裁判になったら、あなた自身が裁判に出るのではなくて、裁判でどのような主張をして、何を証拠に出すか、私と十分に打ち合わせをすることが重要なのですよ。ですから、次にいつ私の事務所に来てもらうか、その日時を決めましょう」と。


2016年10月20日(木曜日)

10月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 16時57分18秒

 2016年9月ベルギーで初めて未成年者の安楽死が認められた。2014年にできた法律は、年齢制限がない点で世界初の法律だ。

 隣国のオランダでは、未成年者の安楽死を認めているが、12歳以上に限定している。
 フランスとイギリスでは2005年、ドイツでは2009年、台湾や韓国でも2016年「患者自主権法」「ホスピス延命医療法」など尊厳死に向けた患者の自己法定に関する法律が制定されているのに、日本では法律はおろか、実効性のあるガイドラインもできていない。

 たとえば、厚生労働省のガイドラインでは「家族と話し合って決める」とのみ記載され、具体的な選択肢を示しておらず、また医師会のガイドラインでも「家族の意向を踏まえて総合的に判断する」と記載され、具体性に欠けるものとなっている。

 人は最後に備えて自分自身の意思で遺言書を作成する。同じように人の最期の在り方についてもその人自身の意思が反映されてしかるべきではなかろうか。

 たとえば、日本では、自ら食事ができなくなった高齢者などに対してSpoon Feeding を行い、排泄に支障をきたした高齢者に対してオムツをあてることが当然のように行われているが、海外ではこれは高齢者の尊厳を無視した虐待と見なされる可能性がある。というのも、「自分の意思で食べ、排泄することができなくなったら、人間としての尊厳が失われる」というのが外国の考え方だからである。

 私も、70歳になった今、つくづくこれから先の健康と尊厳を考えるのである。


2016年10月10日(月曜日)

10月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 16時54分56秒

 テレビ嫌いの私でも、NHKの「ダーウィンが来た」は大好きで、時間が合えば必ず見る。

 世界のいろいろな動物の生態を何ヶ月もかけて撮影して、その実態に迫る。

 不思議なもので、その主人公がライオンであれば、狩猟の大変さに感心し、鹿やキリンを追いかけて物にすると、「あぁ良かった。これでお腹を空かせている子どもらに餌を持っていってやれる」とホッとし、主人公が鹿やキリンだと、ライオンに追いかけられて危機一髪で脱すると、「これで、また、仲間のところに戻ることができる」と胸をなで下ろす。

 歴史小説も同じで、石田三成が主人公なら、彼の理知的な頭脳と冷静な計算に感服し、関ヶ原であくどい徳川家康にしてやられたことを残念に思い、もっとああもすれば、こうもすれば良かったではないかと考えをめぐらす。徳川家康が主人公なら、計算高く人情味のない石田三成を敵に回して、よくもしてやったりと称賛の気持ちで歴史を振り返る。

 まして、身近な離婚事件で、妻の立場に立てば、「夫の横暴を許せない私が、こんなに離婚したがっているのをどうしてわかってくれないの」と思うし、夫の立場に立てば、「これだけ理を尽くして円満にやっていく方法を考えて話してやっているのを感情的になって聞きもしない、オレのどこがいけないんだ」ということになる。

 なかなか客観的な物の見方をできないものなのだ。


2016年9月20日(火曜日)

9月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 16時09分29秒

 C太郎が死亡した。相続人は、妻D美と先妻との間の2人の子どもだ。

 D美は、C太郎が先妻と離婚した後、程なくしてC太郎と結婚し、20年間の結婚生活を送った。
 C太郎と先妻との夫婦生活は10年足らずだったので、D美は、先妻の倍以上C太郎と夫婦だったわけである。C太郎は、10年前に退職した後、ずっと胃潰瘍を患い、最後は胃がんで亡くなったのだが、D美は、ひたすらC太郎の看護に努め、尽くした。C太郎も、D美に感謝し、「おまえに『すべて遺産をやる』との遺言を書くからな」と言っていた矢先に死亡した。

 D美は、先妻との間の子ども2人に、預金500万円あるのをやろうと思って連絡したところ、D美がC太郎と住んでいたC太郎名義の自宅不動産が、時価1500万円なので、先妻の子らは、500万円の現金の他に、自宅不動産をD美が単独で相続するなら、その代償金として500万円を払えと言って来た。

 現在遺産分割調停中だが、生前C太郎は、2人の子どもに対して、常々気に掛けて品物を送ったり、送金したりしていたが、子どもたちらは礼の電話も手紙もなく、また、C太郎の入院中も、一度も見舞いに来なかった。

 それが、子であるというだけで、権利主張するとはけしからんとD美は、憤っている。また、D美は、今度とも自宅に住み続けるつもりだが、そのために、さらに500万円は到底出せないと嘆いている。

 D美に、寄与分を主張する権利があると考えるが、子どもらは、もともと妻が貢献していることを考慮して相続分が半分とたくさんあるのだから、さらに寄与分を主張するのはおかしいと反論する。

 私も、D美の代理人として、D美の憤りや嘆きはもっともだと考える。同じ子どもといっても、ずっと父親と一緒に生活し、独立しても何かと往き来のある子どもと、幼いに別れ、それ以後子どもらしい心遣いもない疎遠な子どもとでは、大きな違いがあるはずだが、法律では一律に、妻が2分の1、子どもは2分の1と相続分が決められているのだ。

 調停委員が、どこまでこちらの実情をわかってくれるか、今後の調停の進め方を見守りたい。


2016年9月10日(土曜日)

9月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 16時02分09秒

A男は、B子と婚約したが、だんだんB子のわがままな態度に嫌気がさし、B子もA男に対して、知り合った時のように優しくなくなったと非難し、喧嘩することが多くなったので、話し合いで婚約解消した。

 それは良いのだが、B子は妊娠5ヶ月目であったので、問題が生じる。

 B子は、5ヶ月後無事男の子を出産して、A男に対して、養育費の支払いを求めて来た。その頃A男は、別な女性と婚約し、近々式を挙げることになっていた。

 調停でのB子の言い分、「本当なら、出産後父親は子どもを抱き上げ、これがオレの子だと満足して、子どもに頬ずりしたり、出産した妻に『よくやった、ご苦労さん』と労ってくれるはず。それが、私は、たった一人で出産し、子どもを抱いてくれる父親もおらず、これから子どもにも不憫な思いをさせる。せめて父親として精一杯の養育費を払ってもらいたい」。

 A男の言い分、「私は、子どもの顔を見たこともないし、また、見たいとも思わない。本当に『オレの子だ』という実感なんかまるでない。今後息子と面会する気持ちはまったくない。でも、法律で養育費を払わなければならないから、仕方がなく払う。その支払額が高いと、これから新しく築く結婚生活にも影響する。最低限の額で決めてほしい」。

 どちらも言い分も、その立場になれば当然ですね。


2016年8月20日(土曜日)

8月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 16時56分16秒

 C美は、父親から土地・建物を相続したが、自分は、県外に住んでいて、第三者に貸してある土地・建物は必要ないので、賃貸借契約を自動的に20年毎に更新して来た。

 しかし、C美も、もう60歳になり、また20年貸し続けると、自分は80歳になっていしまい、その時には、もう不動産の処分手続などできないし、C美は独身で子どももいないので、今のうちに父親から相続した土地・建物を売って、それを施設入所の代金に充てたいと、相談に来た。

 私から見ても、当然の要求に思ったので、C美の委任を受けて、借り主に契約を更新しない旨の通知をしたところ、借り主から、また20年契約更新してほしいという返事が来た。
 
 借り主は80歳近い夫婦である。借り主も老齢であるが、「自分たちの親族は、皆100歳近くまで生きている、だから自分たちも少なくとも、あと20年はこのままここに住み続けたい」という主張だ。

 らちが明かず、調停の申立をした。

 結局あと15年貸して、それ以上は更新しないことで合意した。ただし、借り主がそれ以前に借家に住む必要がなくなった場合(たとえば、施設入所・死亡など)には、契約は終了して明け渡すという条項を入れたが、つくづく高齢社会を実感した。


2016年8月10日(水曜日)

8月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 16時54分27秒

 A社でB子を採用して入社させた時から、社内で盗難事故が頻発し、会社の更衣室で財布や時計がなくなったという苦情がたくさん寄せられた。

 そこで、総務課長が内偵していたところ、盗まれた財布に入っていたはずのレシートがB子のゴミ箱から出てきたので、B子を詰問したが、罪を認めない。A社は、警察に被害届を出し、B子は、前科もあったことから逮捕勾留された。

 B子の親が被害弁償をし、B子が反省しているということで、警察からA社に対して、被害届を撤回するかどうか問い合わせがあったので、A社の課長が、勾留されているB子に面会に行った。

 当然B子は、「申し訳ありませんでした」と謝罪するかと思ったら、とんでもない。B子は、「なぜ私のゴミ箱を無断で調べたのか」と怒っている。

 また、B子が、以前いた会社でも窃盗をはたらき、起訴猶予になったことを採用面接試験の時に言わなかったではないかとA社の課長が責めたのに対して、B子は、「聞かれなかったのですもの。そんな不利なこと自分から言うわけないでしょう」と開き直った。

 B子は、全然反省なんかしていない。

 A社から、B子に対して、被害届の取下げをそれでもすべきかどうか相談された。私は、まず、当然懲戒解雇をして、被害届を告訴に切り替えるくらいの強い態度で臨むべきだと答えたが、A社としては、B子の親から泣きつかれ、そこまで強い態度に出るべきかどうか悩んでいるようだ。

 私が刑事事件を扱った経験からいうと、人間心底反省するということは滅多にないのだ。


2016年7月10日(日曜日)

7月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 11時45分08秒

 A男が上告審の依頼をしたいと事務所に来た。

 A男は、慰藉料請求の訴をB弁護士に依頼したのだが、それが到底認められそうもない請求内容で、しかも、5000万円の請求。当然請求棄却(請求は認められない)の判決が出たが、それを不服として、A男の代理人であるB弁護士は高等裁判所に控訴したが、もちろん控訴棄却の判決。「まだ最高裁判所がある」という訳で、私に依頼に来たのだ。

 しかし、最高裁判所は、何でもかんでも受け付けるというわけではない。

 憲法違反か最高裁の判例違反になるような内容でなければならない。
 
 そもそも、A男の請求は、自分の留守の管理を隣人に頼んだのに、十分に管理してくれなかったから留守中に泥棒が入り、高価な絵画や宝石を盗まれたというもので、盗まれた物が5000万円もするという証拠もないし、泥棒に入られた損害の責任が隣人にあるというもの無理な話だ。

 私は、こんな依頼を受けたB弁護士に腹がたった。A男が、「どうしても訴えたい。腹の虫が治まらない」と言ったかもしれない。それなら、A男の納得のため「受任しましょう」というところまでは、まぁ仕方がないのかもしれない。でも、そうならば5000万円の請求ではなくて、一部請求という方法がある。

 損害は5000万円だが、とりあえず、200万円を請求して認められたら、残り4800万円を請求するのである。なぜそのような一部請求をするかというと、いくら請求するかによって訴状に貼付する印紙額が相当違うからだ。200万円請求するなら、印紙代は1万5000円で済むが、5000万円請求するなら、17万円なのだ。請求額を5000万円として控訴すると、その印紙代は、25万5000円となる。

 結局A男は、合計42万5000円もの印紙代を負担し、B弁護士に弁護士費用として200万円近く支払ったという。

 なぜ一部請求にしなかったのかとA男に聞くと、B弁護士からそのような方法についての説明はなかったという。

 この10年間司法制度改革で弁護士が圧倒的に増加した。自分の主張を聞いてくれる弁護士に出会うまで、転々と弁護士事務所を訪れる人も増えたと聞く。

 以前私の事務所に来て、慰藉料1000万円を請求したいという依頼者に対し、「1000万円は、到底認められませんよ。300万円にしましょう」と私が話すと、「それでは、そうしましょう」という依頼者が多かったが、最近では、「それなら結構です」と帰る人が出て来た。弁護士によっては、「よし、1000万円を請求しましょう」ということになるのだ。

 弁護士過疎を解消して、住民がどこでも気軽に相談できる弁護士を、ということで司法改革がされたはずなのに、弁護士増加がかえって市民の権利擁護につながらないというのが現状では、困ったものである。


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