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2018年10月20日(土曜日)

10月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 14時29分25秒

 B子は、1年前にC太郎にから借りた100万円を毎月10万円ずつ返済して来たが、生活が苦しくなったので、C太郎に頼み込んだところ、「あと30万円残っているところを今後5万円ずつ3回払ってくれれば、それで良い」と言われ、B子は、頑張って15万円を払い、確約書も作成して、これまで支払った85万円を確かに受領したとC太郎も署名した。

 B子は、当然これで済んだと思っていたところ、後日C太郎から「残りの15万円は、いつ払ってくれる?」と催促された。
 B子は、「そんなはずはない。先月支払った時に、もうこれで終わりということだったでしょう」と反論したが、C太郎は、残り15万円について返済猶予はしたが、免除した覚えはないという。

 B子が、確約書を持って、私の事務所に相談に来た。

 確約書には、これで完済したという文言はない。また、清算条項(裁判所や弁護士が和解条項を作成する時、他に何も債権債務関係はない、つまり、これですべて終わり、ということを明記した条項のこと)もない。

 もし、弁護士がついて確約書を作成するなら、当然清算条項を入れるはずだが、そんな知識のないB子は、それに気づかなかったのである。

 このように、何か文書を作成して署名・押印するときは、予め弁護士に相談することをお勧めする。B子も、C太郎に署名をもらう前に、確約書を弁護士に見てもらえば、清算条項をきちんと入れた確約書を作成できたはずである。


2018年10月10日(水曜日)

10月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 14時24分48秒

 A男の妻は、小学校3年生の子どもを連れて家を出て行った。

 妻は、家を出る際、毎週日曜日には子どもに会わせることをA男と約束した。
 しかし、A男の妻は、何のかんのと屁理屈をこねては、子どもに会わせてくれない。A男は、妻には未練はないが、自転車の乗り方を教えたり、キャッチボール等して一緒に遊んだ子どもは、今頃どんなに寂しい思いをしているだろうと気になって仕方がない。

 そこで、A男から依頼を受けた私が、妻へ手紙を出して子どもとの面会を催促した。やっと妻から返事が来て、「来月の第3日曜日の12時から13時までの間、 ファミリーレストランで私(妻)も同席の上、1時間だけ会わせる。但し、3人分の食事代は、A男が負担して下さい」と言って来た。これを聞いたA男は、カンカンだ。「毎週子どもと会わせると約束したはずだ」、「妻も一緒は嫌だ」、「1時間は短すぎる」と文句を言う。

 しかし、子どもは、いま妻のところにいるのだ。つまり、妻は強い立場で、A男は弱い立場なのだ。いくら約束が違うとA男が怒ってみたところで、妻から「それでは会わせません」と言われてしまえば、どうしようもないのだ。

 私がA男の代理人となって妻に対し、面会交流調停の申立をすることにしたが、第1回調停期日は、約1ヶ月後にしか入らず、そこで話し合って、実際子どもに会わせてもらうのは、早くても2ヶ月後になる。それなら、ともかく妻の言いなりになって、来月子どもと会ってみた方がいいでしょうと私は勧めるが、A男は、いま自分が弱い立場にいるということをなかなか理解しようとしない。


2018年9月20日(木曜日)

9月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 14時23分17秒

 調停や裁判和解で離婚や子どもの親権者が決まっても、それで「はい、すべて終わり」という訳にはいかない。できるだけ事後の面倒を避けるために、養育費の支払方法、子どもとの面会など細かいことについても、合意事項を調書に盛り込むようにしているが、物の引渡については、どうしても全部盛り込めない。

・ B郎は、妻が出て行った後に、妻が残して行った物の引き取りを求めているが、妻は、B太郎に処分してくれという。その処分と費用でもめている。

・ C子は、子どものアルバムの引渡を求めているが、夫は拒否している。せめて写真をコピーしたいので、一度アルバムを貸してほしいと言っても、聞き入れてくれない。

・ D助は、出て行った妻がいつまでも家の鍵を返してくれず、いつまた自分が留守中に出入りされるか心配で、合い鍵を返してくれと言っているが、返してくれない。鍵を付け替えるには、お金もかかる。

・ E治は、妻に引き渡した本や書類一切の中に、以前こっそり買ったアダルト雑誌が入っていることに後で気がついた。別れた妻が、これに気がついたら、嫌味の一つも言われそうだ。何とかこっそり取り戻せないだろうか。

等々、相談されても、すぐに名答は思いつかないことが多い。 


2018年9月10日(月曜日)

9月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 14時21分41秒

 元依頼者のA男からは、時々連絡があるが、たいてい良い話ではない。

 「またやってしまいました」という電話。彼は、クレプトマニア(窃盗症)なのだ。

 A男は、自分で店を経営し、十分な収入があるのに、スーパーで洗剤とか下着とか、たいして値段の高くないものを万引きする。その時A男が持参している自分の財布には、一万円札が何枚も入っているのにだ。まさに、病気なのだ。

 A男は、最初に捕まった時は起訴猶予、次に逮捕起訴された時は執行猶予、そして前回逮捕起訴された時は実刑という経過をたどって、半年前に出所したばかりで、「今度こそ懲りた」と言っていたのに。

 以前私は、クレプトマニアを治療する病院の医師の話を聞いたことがあったが、患者に自分のしたこと、反省の気持ち等を作文に書かせ、他の患者の前で発表したり、謝罪文を書いて被害者の所に届ける等というのが治療法の一つだということであった。しかし、どれだけの効果があるのか疑問に思った。少なくとも短期的には完治は望めないだろう。

 日常生活においても、例えば、地下鉄の座席に座っていたところ、目の前に立っていた女性の鞄から財布がはみ出しているのが見えた。次の瞬間、車内が停電になり、2〜3分後には再び点灯したが、停電の間に女性の鞄から財布を盗ろうと思えば可能であるかもしれない。また、駅のトイレに入ったら、一万円札が落ちていた。周囲に誰もいないとしたら、黙って持ち帰っても分からないのではないか。

 このように、誰にとっても、誘惑がたくさんある社会で、理性を失わずに生活するのは結構大変なことなのかもしれない。


2018年8月20日(月曜日)

8月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 15時43分33秒

 法律に関する相談は弁護士に、税金に関する相談は税理士に、というのが一般的だ。
 しかし、法律問題と税金問題が微妙に絡むので、私も最低限の税金の知識は持っていなければならない。

 たとえば、夫婦が離する時に、夫から妻に300万円が支払われることに決まった。この300万円の名目を慰藉料とすれば税金がかからないが、贈与になると贈与税がかかる、とか、子どもに生前贈与したいという場合、毎年110万円ずつだと贈与税はかからないが、4500万円以上をいっぺんで贈与すると、55パーセントの贈与税がかかるとか。

 しかし、もっと複雑な相続、財産分与等となると、私は、いちいち税理士と相談しながら、無駄な税金が取られないように気を遣う。そのために、いつも気軽に相談できる友人の税理士がいるのは、ありがたいことだ。

 裁判や調停等で、不動産の取得が決まった後には、登記手続が必要になることが多い。もちろん、これは本人や弁護士でもできるが、必要書類を揃えたり、登録税の計算をしたり、やっかいなことがたくさんあるので、専ら司法書士を紹介することにしている。私の長女が司法書士であるので、助かっている。


2018年8月10日(金曜日)

8月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 15時42分33秒

 A子の夫は、イタリア人。「君は、この世の花だ、太陽だ。僕は、君なしでは一日たりとも生きられない」という熱烈な言葉でプロポーズされ、結婚した。A子と夫の間に生まれた子ども2人も、今は小学生。

 A子は、「最近夫から離婚しようと言われているが、私は離婚するつもりはない。どうしよう」と私の事務所に相談に来た。

 私が、A子に、「夫は、なぜ離婚したいと言っているの?」と聞くと、「夫から『君はもう昔の君ではない。花でも太陽でもなくなった』と言われて、それが離婚の理由のようです」と言う。さらに、A子は、「確かに、私は、昔より5キロ太りました。シワだって増えたし、聞き分けのない子どもにイラついて怒鳴り声だってあげます。でも、家事も育児もきちんとして、夫にも尽くしているつもりです。夫も、それは認めてくれています。でも、夫は、『そんなことは家政婦でもできる。僕は、いつまでも恋をしていたいのに、今の君は、僕のその要望には応えてくれていない』と言うのです」と涙を流しながら話す。

 このような離婚原因が、イタリアでは認められるのだろうか。

 日本では、まず認められないだろう。


2018年7月20日(金曜日)

7月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 15時06分58秒

 遺産分割調停事件を受任している。

 依頼者は、亡母の長女A子、相手方は、A子の妹。女性2人が相続人なのだから、遺産を半分ずつすればよいではないかと思うかもしれないが、そう簡単にはいかない。

 A子としては、「私が、妹よりたくさん親の面倒をみてきた」、「妹の方が、私より親にかわいがられ、生前洋服を買ってもらったり、食事に連れて行ってもらった」と、一つ一つは取るに足らないことだが、積もり積もって半分ずつ分けるというのは、公平に反するという考えになるのだ。

 さらに、A子の夫は、某大学の民法の元教授。打合せの度に、夫も同席して、A子がたくさん相続すべきだということを滔々と述べる。しまいには、「寄与分について、私が意見書を書きましょう」と言い出した。

 しかし、私は知っている。裁判官は、学者の意見書などというものをあまり重視しない。これが化学的なこと、医学的なことなら、裁判官の専門外のことなので、専門家の意見を聞いておきたいと思うかもしれないが、遺産分割、寄与分等という問題は、まさに家事裁判官の得意とする民法解釈の問題なのだ。

 そもそもA子の夫は、当事者ではないのだ。どうやって、彼を説き伏せようか悩んでいる。


2018年7月10日(火曜日)

7月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 15時05分48秒

 先日仙台市中心部の街角で、弁護士十数名が街宣署名活動を行った。

 安倍政権の元で、憲法9条の改正はさせない、平和憲法を守ろう、というもので、私も参加した。

 日本が海外で戦争をしてこなかった大きな力は、憲法9条の存在が大きい。これに自衛隊の存在をわざわざ書き込む必要がないのではないか、自衛隊は災害救助や国内防衛に尽力していることは国民がよく分かっている。危険な戦闘地域に送り込むことはしたくないという趣旨のことを弁護士が代わる代わるマイクを持って訴え、私たちはビラを配ったり、署名を求めたり、1時間も街角で活動した。

 しかし、街行く人たちの何と関心の薄いことか。たいていスマホを見ながら、あるいはイヤホンをつけたまま私たちを避けて通り過ぎる。特に、若者がそうだ。愕然とした。

 次の日、在日ドイツ大使館のメラー博士の講演を聴いた。

 ヨーロッパで盛んになりつつあるポピュリズム・排他的考えの人々にどう対処するか、という内容であった。ポピュリストの政党を支持する国民は、十数パーセントに過ぎない。あとは明らかに排他的政策を非難する人たちだという内容の話を聴いて、私は質問した。

 「日本では、例えば、集団安保法や働き方改革に賛成か、反対か、国民に意見を聞いても、特に若者の間で、『そんなことはどうでもいい、目先のゲームやスポーツ、恋愛の方に関心がある』という人たちが多いが、ドイツではどうですか」と。

 メラー博士曰く、「ドイツには政治・経済機構というのがあって、多くのボランティアが活躍している。どのような活躍かというと、いろいろな職場、学校、サークルに出向いて、あらゆる層の人たちの意見を聞き、討論する。例えば、シリアからの難民を受け入れた方がよいか、それは、どの位の規模にすべきか等という問題について、いろいろな分野の人々から意見を徴収する。だから全く無関心という人たちは少ない」ということであった。そして、「日本には、そんな機構はありませんね」と言われた。全くそのとおり。


2018年6月20日(水曜日)

6月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 09時24分46秒

 事件を依頼する人は、よく「私は勝てますか?」と聞いてくる。しかし、私は、勝ち負けというのが、ピンと来ない。

 例えば、貸金100万円の返済を請求して提訴したのに、相手が「借りていない」とか「もう返済した」とか反論し、その言い分が認められて、一銭も取れなかったら、これは負けであろう。
 しかし、100万円借りたことは認めるが、1回で支払えないから、毎月5万円ずつ20回払いで和解したという場合は、勝ったことになるのだろうか。しかも、分割金5万円を2回位払ったとことで、相手が行方がわからなくなった等という場合は、勝ったとは言えないだろう。それだったら、50万円におまけして1回で払ってもらった方が良いと考える人もいる。これも、勝ったといえるのだろうか。

 離婚事件でも、離婚と子どもの親権者を請求したのに、離婚が認められなかったという場合は負けであるが、離婚は認められたが、子どもの親権者は認められなかったという場合も、気持ちとしては負けである。

 東日本大震災で児童74人が津波の犠牲になった石巻市立大川小学校の遺族が、石巻市や宮城県に対し損害賠償を求めた事件で、請求額23億円近くについて、控訴審の判決は、14億余円を認めた。これを受けて、県と市では、最高裁判所に上告することを決めたが、遺族側は上告しないという方針だと報道された。遺族としては、学校の事前防災の不備までも認められたのだから、それで十分だ、つまり勝ったという気持ちなのであろう。

 本当に勝ち負けの評価は難しい。


2018年6月10日(日曜日)

6月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 09時23分01秒

 日本尊厳死協会東北支部主催の講演を聴いた。

 講師の一人は、福島県会津の磐梯地域で在宅医療を続ける医師、もう一人は、その医師と一緒に末期患者の話に耳を傾ける臨床仏教師。
 いずれも、「我が家」で十分な医療や介護を受けながら、安らかな最後を迎えるための支援をしている方々だ。
 栄養剤を処方したり、心電図を測定したり、むくみや具合をみて水分補給を指導したり、という医師としての仕事はもちろんのこと、患者や家族の話を聞き、「孫の成人式までは生きていたい」という希望を持つ患者が間に合いそうもない時は、家族と話し合って、孫に成人式の着物を着せて写真を撮って、それを患者に見せて安心させたり、患者が、今後悔し、反省しているという話を枕元で静かに聞いてやったり、託された手紙を知人に渡したり、本当に患者に寄り添って支えている姿に感動した。そして、私自身について、大いに反省した。

 弁護士事務所を訪れる人は、離婚、相続、借金等々悩みを抱えている方々だ。それを私は、時間がないのとせっかちな性格のせいで、十分悩みを聞くことなく、「それであなたはどうしたいの?」とすぐ聞き、関係のない話をし出すと、それを遮り、「大事なのは、これとこれ」と決めてかかる。
 今は、以前ほど事件数も多くなく、時間ができたのであるから、もっと悩める依頼者に寄り添って、話を聞いてあげるべきかなぁと反省した次第である。 


2018年5月20日(日曜日)

5月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 13時08分32秒

 A子は結婚し、夫の転勤に従って九州に行ったが、夫の暴言に耐えられず、1歳の子どもを連れて仙台の実家に戻って来た。もう離婚するしかないと考え、夫に離婚と子どもの親権者・養育費、そして財産分与を請求する手紙を出したところ、夫からの返事は、離婚と親権については同意するが、一切お金は払わないというものであった。

 A子が主張するのは、結婚祝いや出産祝いでもらったお金すべてを夫名義の預金にして合計200万円位あるので、半分の100万円は払って欲しいというもので、私は、ごく当然の権利主張だと思えた。また、養育費も当然請求できるし、養育費の金額は、夫の収入と子どもの年齢からして算定表によると月4万円は下らないので、A子から依頼を受けた私からも、夫に対し、その旨請求する手紙を出した。
 そうしたところ、夫にも弁護士がつき、解決金30万円なら払う、養育費は月1万円なら払うという回答が来た。そんな内容で合意はできないとこちらの請求の正当性を訴えて交渉したが、夫の方は、これ以上払う気はないと強気だ。

 夫の方が強気なのには訳がある。
 当事者同士の話し合いがうまくいかない場合は、家庭裁判所に調停申立をすることになるが、これは基本的に相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申立しなければならない。相手方は、それがわかっているから、どうぞ調停を申し立てて下さいと強気なのだ。
 
 A子は、仙台に住んでいるので仙台の弁護士を依頼したい、でも、調停の期日は九州まで行かねばならないことから、その費用と時間をかけるくらいなら不本意ながら夫の申出に従おうと言い出すのを、夫が待っている様子がありありとわかる。だから、なおさらA子は屈したくないのだ。


2018年5月10日(木曜日)

5月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 13時07分10秒

 憲法九条を改正するか否か、改正するとしたらその内容はどうするか。

 この問題は、政治家や憲法学者だけでなく、私たち国民一人一人も考えなければならない。

 というのは、憲法96条1項に「この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行われる投票において、その過半数の賛成を必要とする」と規定されているからである。国会が、憲法改正の発議をし国民に提案したら、国民はそれを承認するかどうかを決定をすることになる。国民は何をもとに意思決定すればよいのか、それは時の政治家や官僚の意見ではなく、日本国憲法の趣旨、すなわち前文に思いを致すべきであると思う。

 前文は、「日本国民は、恒久の平和を念願し、人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する。われらは、いずれの国家も、自国のことのみに専念して他国を無視してはならないのであって、政治道徳の法則は、普遍的なものであり、この法則に従うことは、自国の主権を維持し、他国と対等関係に立とうとする各国の責務であると信ずる。日本国民は、国家の名誉にかけ、全力をあげてこの崇高な理想と目的を達成することを誓う」とある。何と崇高な格調高い文章であろうか。

 そんな理想ばかりいっていて、国が滅びたら何もならないではないかという意見をよく聞く。しかし、そもそもどんな国家をイメージしているのか。意見の違いを力で解決し、他を排除して自国の利益だけを優先する国、徴兵制、つまり国民を強制的に兵役につかせることにし、場合によっては特攻隊員として死地に臨まなければならないというような戦前のような国、それでも良いのか。というのが私の反論である。


2018年4月20日(金曜日)

4月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 16時53分50秒

 五月病というのがある。
 せっかく張り切って入学・入社したのに、学校や職場が思うような所ではなかったと失望して鬱状態になり、学校や会社に行きたくないという病気のようである。

 私も、張り切って弁護士として仕事を始めたばかりのことを思い出す。
 債務整理事件を受任すると、まるで私が多額の借金を背負った様な気持ちになり、「どうやって返済しようか」、「債権者が減額や猶予に応じてくれなければどうしよう」と悶々としていた。また、離婚したくないのに、夫から離婚を迫られている妻の事件では、「どうしたら夫の気持ちを変えられるだろうか」、「今まで妻のどのようなところが嫌われたのか」と、自分のことのように考え込んだ。

 しかし、しばらくして、これではやっていけないと気がついた。事件を客観的に見て、自分の感情を入れることなく大所高所から解決を図ることが有能な弁護士なのだ、と先輩からも教えられた。

 医者でも同じことが言えると聞いた。患者の痛みを自分の痛みと感じることも必要かもしれないが、それよりも、医学的な見地から回復のための技術を駆使することこそが必要なのだと。

 新入生・新入社員に最初からそのようなことを期待するのは難しいかもしれないが、自分一人で何でも背負い込んで頑張って倒れてしまわないで、「自分にできるのはここまで」と割り切る方が長続きするのではあるまいか。

 50年近く弁護士をやって来た者からの一つのアドヴァイスである。


2018年4月10日(火曜日)

4月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 16時51分06秒

 宅配便を集荷に来てもらうため、私が玄関先に出して置いた荷物に、夫が躓いて転びそうになった。
 夫が、「こんな所に置いておくから」と怒るので、「悪うござんした」と謝ったところ、「笑いながら謝って、本当に悪いと思っていないんだな」とまた怒る。

 その通り本当に悪いと思っていない。

 「宅配便を取りに来るまでの一時、しかも大きな荷物なんだから見ればわかるじゃない。ちょっと注意すれば蹴躓いたりしないでしょう」、だけど、そう言うと角が立つし、そんなことで言い争いしたくないから、面倒だから口先だけで謝っておいたのだ。

 ある韓国人が、2012年5月29日号の『「ニューヨーク・タイムズ』紙に「憶えていますか?」と題して、1970年にブラント首相がワルシャワ・ゲットー蜂起記念碑の前で跪いてる写真を広告に載せ、「(このようなドイツにおける和解の試みとは)対照的に日本政府は第二次世界大戦中に日本兵のために性奴隷として働くことを強要された「慰安婦」に対して十分に謝罪してこなかった」ことを指摘し、「日本政府はドイツ人の行動から学ぶ必要がある」と訴えている。しかし、謝っても謝っても、問題は解決しないという見方もある。

 依頼者でよく相手に謝ってもらいたいと希望を言う人がいる。
 例えば、夫の不倫の相手、子どもに怪我をさせた相手、治療態度が不親切だった医者等々。

 しかし、私は、基本的に謝罪で問題は解決しないと考えている。そもそも「心からの」謝罪なのかどうかわからない。それよりも「慰藉料」という形で金銭的な解決をする方が、ずっとわかりやすい。依頼者に、「心から謝罪します」という文言を和解調書などに入れれば、金銭請求をしなくて良いのかと聞くと、それで良いと言う人はほとんどいないのだ。


2018年3月20日(火曜日)

3月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 16時24分26秒

 法律相談の当番で、役所に行った。

 10時から15時まで、相談者一人あたり30分で8人の予約で埋まっている。離婚、相続、貸金、境界、近隣の騒音、いろいろな相談が持ち込まれる。相談料は無料なので、気軽に利用されるのだろう。

 11時半予約の女性は、3才くらいの男の子を連れて来たが、その子が廊下でギャアギャア泣いている。何かトラウマがあるのか狭所恐怖症なのか「嫌だ、嫌だ」と泣き叫んで相談室に入ろうとしない。困ったママが、「すぐ終わるから、部屋の外で待っていて」と言ってなだめているが、まるで聞く耳持たず、庁舎が割れんばかりの大声で泣き止まない。

 私が、この人の相談は今日は無理だろう、また出直して来てもらうしかないと思っていたところ、役所の若い女性職員が何かおもちゃを持って来て、「坊や、お姉ちゃんと遊ぼう」と話しかけている。母親に、お昼はもう食べたか、何かアレルギーはないか、ジュース位与えてもいいか等細かく聞いて、男の子をどこかに連れ出してくれた。
 おかげで母親は安心して、30分相談をすることができ、私もホッとした。

 若い女性職員のとっさの対応に感心した。


2018年3月10日(土曜日)

3月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 16時22分17秒

 A男の相談は、家を出て行った妻から生活費を請求されているというものだった。

 A男の妻は無収入、妻の実家が所有する借家の空いている所に愛犬と一緒に住んでいる。A男の収入から算定すると月8万円〜10万円ということになるので、妻宛に中間値の9万円を毎月送金する旨の手紙を出した。

 妻から返事が来た。
 「私の分は9万円で了承します。その他愛犬にかかる費用として、餌代、病気になった時の治療費、美容院でトリミングをする費用、私が散歩に連れて行けない時に犬を散歩させてもらう代行の費用等、月に少なくとも5万円かかるので、それを上乗せしてほしい」という内容だった。
 それは認められないとこちらが言っても、妻は納得しない。
 仕方がないから、妻に対し、「あなたから家庭裁判所に婚姻費用分担調停を申し立てて下さい。裁判所に決めてもらいましょう」と言ったところ、妻から調停の申立がなされた。

 調停で話し合いがなされ、こちらは月10万円まで譲歩したが、妻は頑として15万円を譲らず、結局審判になった。

 審判で認められた金額は9万円。妻が主張した犬にかかる費用は、一切認められなかった。
 これがどうしても生活に必要とされる盲導犬や介助犬の場合だったら、話は別かもしれない。また、病気でどうしても必要な治療費などが、生活費に上乗せされる場合はあるかもしれない。しかし、愛犬に贅沢にかける費用は認められないのが通例だ。

 妻は、審判の内容に納得せずに、異議申立をするだろうか。


2018年2月20日(火曜日)

2月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 13時55分57秒

 堀川惠子という作者の「戦禍に生きた演劇人たち」という小説を読んだ。

 小説といっても、資料に基づいて、大正デモクラシーといわれた時代から一転、治安維持法ができて「舞台はイデオロギーによって変節させられ、国家によって自由を奪われ、俳優は警察に連行され、演出家は拷問を受け、作家が警察署の中で殴り殺される。
わずか70数年前にあった、この国の姿」を描いている。

 小林多喜二の虐殺はよく知られているが、これを世界に向けて発表したのが、築地小劇場の設立に私財を投げ打って乗り出した土方与志という伯爵。彼も、爵位を剥奪され、特高(特別高等警察)に逮捕され、懲役5年の実刑に処せられた。

 また、昭和14年には「映画法」が成立し、厳しい検閲のもと国内の映画は1本の例外もなく、「肉弾挺身隊」、「かくて神風は吹く」、「野戦軍楽団」などの戦争一色の作品となった。

 こんな時代が二度と来ませんように。


2018年2月10日(土曜日)

2月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 13時54分10秒

 弁護士は、法律問題を抱えている依頼者のために代弁するだけではなく、対立状態にある当事者間のトラブルを、上手に解決する役目も負っていると私は自負している。しかし、弁護士をつけたというだけで怒る人もいる。

 A子の夫もそうだ

 A子の代理人として、A子がなぜ別居に踏み切ったのか、なぜ離婚したいのか、離婚に際しての望みは「これこれ」と、丁寧に、しかも、低姿勢に書いて夫宛に出したつもりなのに、A子は、夫から「夫婦の問題なのに、弁護士を立てるとは何事だ」と叱られた。いつも何かというと怒鳴りつける夫に、A子は、自分からは何にも言うことができず、それで今回弁護士を頼むことにしたのだ。

 結局、夫は離婚に同意した。

 A子ら夫婦には共有名義の不動産がたくさんあり、それを貸して賃料を得ていたり、障害を持つ子の将来のためにと掛けていた保険、A子が結婚する時に親が持たせてくれたいわゆる持参金、A子の夫の親が代表者である株式会社の株の保有等々、面倒な財産問題が山ほどあったので、夫も自ら弁護士を委任し、弁護士同士で話し合って裁判にすることなしに妥当な解決が出来た。

 最後は、A子からだけでなく、夫からも、「弁護士を依頼して良かった」という感謝の言葉が述べられた。

 B夫が私に依頼したのは、アクセサリー販売店の営業が破綻に瀕し、到底営業を続けられないので店を閉めたい、それで今ある資産を債権者に支払うつもりだが、満額は払えず、半分くらいの支払にしかならないが、裁判所の破産手続によらずに債権者に納得してもらえることはできないかということだった。

 そこで私は、十数人の債権者に、懇切丁寧にB夫の現状と今後の方針を説明する文書と、B夫の店の帳簿・台帳・資産説明書等資料もつけて手紙を出した。

 そうしたところ、たいていの債権者は、渋々納得して同意してくれたが、内1人の債権者が、怒ってB夫の所に怒鳴り込んだ。「本人が平謝りに謝りに来れば、話を聞いてもやるのに、偉そうに弁護士をつけるとは何事だ。オレは、あくまでもお前と直談判だ」と言ったそうだ。

 仕方がない自己破産の申立をして裁判所の手続にするしかないかと思っていたところ、他の債権者の説得もあって、その債権者も納得してくれ、最終的には、任意弁済で決着した。

 どうか、弁護士をつけたということだけで、腹を立てないでほしい。


2018年1月20日(土曜日)

1月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 17時30分38秒

 夫が、上海でのシンポジウムに出席するのにくっついて行った。

 上海訪問は、今回で3回目。

 1回目は40年前、未だ1〜2階建の家が多く、道路には自転車がひしめいていた。

 2回目は20年前、甫東などに高層建築ができつつあった。

 3回目の今回、1100階建、400数十メートルのいろいろな形のしゃれたビルが林立し、夜ともなると、それらがまばゆいばかりのネオンで鮮やかに浮かび上がり、街は自動車であふれかえっている。街の人々は、皆おしゃれな洋服に身を包み、にこやかにしゃべったり食べたり、いかにも幸せそうだ。

 街を案内してくれた上海に住む弁護士に、急速の発展ぶりを称賛すると、彼は首を横に振り、貧富の差が激しく、特に農村は発展の恩恵はほとんど受けていないと言う。
 四川の地震でも、本来なら一番強靱に造られなければならないはずの小学校の建築が脆弱で、多くの子どもたちの被害を出したのに比べ、政府高官の住居の被害は少なかったという。

 旧人民公社跡を案内してもらった時も、毛沢東の若い頃の写真を示して「いい顔をしていたでしょう。それがだんだん権力を握るようになってから、嫌な顔になっていった。習近平も、今自分の写真を街や家のあちこちに掲げるようにしているが、これは良くないことだ。この後5年はうまくやると思うが、その後もっと習近平の地位が続くようであれば、心配なことだ」と言っていた。

 そんな意見を述べることができるということは、少なくとも北朝鮮やスターリン時代とは違う。
 しかし、日本で報道されているようなノーベル賞作家の劉暁波の妻の軟禁、人権派弁護士の令状なしの逮捕などというようなことが本当だとすると恐怖を感じる。

 私たち日本人も表面の華やかさではなく、恐怖政治が少しずつ影をひそめながらやってくることに、敏感に警戒心を持たなければと思う。


2018年1月10日(水曜日)

1月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 17時27分13秒

 私は、自分が尊厳死協会に入ってリヴィングウィルを書いているだけではなく、周りの友人にもリビィングウィルを書いておくことを勧めている。そうすることによって、意識がなくなって回復する見込みのない症状なのに、管だらけでいつまでも生かされることを、元気なうちに拒否しておくのだ。

 しかし、日本では尊厳死に関する法律が未だできていない。

 だから医師は、延命治療をしないことをためらう。万が一、何も治療しないことによって、殺人罪や過失致死罪に問われることになったら大変だからだ。

 この度、韓国で延命措置を差し控え、中止を認めた尊厳死法が制定された。
 10の韓国医療機関で、臨終を迎える患者に対する心肺蘇生法などの延命治療を拒否したり、中止したりすることができるようになる。無意味な延命治療に苦しむのではなく、「尊厳死」を選択できるようになるのだ。

 そもそも、立法化の大きなきっかけとなったのは、セブランス病院事件と呼ばれた医療裁判だった。同病院に入院した「キムおばあさん」が持続的植物状態となり、家族は「おばあさんは常々『延命医療はイヤ』と言っていた」と訴えて、医師に人工呼吸器を外すように求めたが、同意を得られず、裁判を起こした事件だった。全国的な関心が集まり、尊厳死が社会問題となった。2009年に最高裁で、取り外しを認める「尊厳死判決」が確定し、法制化が政府の課題となった。

 この事件がなければ、今回の立法もなかっただろう。

 日本でも一日も早く尊厳死を認める法律ができることを望む。


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