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2021年4月20日(火曜日)

4月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 11時37分37秒

 A男は今、亡くなった父親の遺産をめぐって妹と争っている。先祖代々に伝わってきた雛人形、茶道具、掛け軸など、A男は当然自分が〇〇家の長男として相続するものと思っていたが、妹が「お父さんは雛人形や茶道具などの動産は私にくれると言った」と主張するのである。「いつそんなことを言ったんだ?」と聞くと「常々言っていた」「俺はそんな話聞いたことはない」と言い争いになる。そんなことを言っていたという証拠があるのかと聞くと、証拠はないが亡くなる一寸前も私が施設に見舞いに行ったときにそう言っていたのは間違いないと頑張る。
 A男は嘘をついてまで兄妹の仲を悪くしてそんなに財産を取りたいものなのでしょうかねと言うので私は「だって政治家だって官僚だって保身のために皆嘘をついているじゃない」と言うと「なるほどね」と納得し「でも最後は嘘でしたと謝罪したでしょ」と言うので「それは音声データが出てきて嘘をつき通せなくなったからじゃないかしら、妹さんの場合も施設の訪問者名簿など見せてもらって本当に妹さんが施設に行っていたかどうか調べて、行っていないとなると妹さんに嘘を認めさせることができるかもしれない」と言うと、A男はそこまでやるか、という顔をしていた。


2021年4月10日(土曜日)

4月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 11時36分31秒

 不貞を働く男は必ずしも妻を嫌って家庭を壊そうと思っているとは限らない。
ちょっとしたアバンチュールを楽しむという気楽な気持ちで他の女性とホテルに行ったりする。しかし、これを知った妻は体重が激減するほど悩んで離婚するか否か迷った挙げ句、法律事務所を訪れるのである。
 A子の依頼を受けた私が、夫に離婚の打診の手紙を出したところ、取るものも取り敢えずといった形で事務所にやってきて「悪かった、妻と離婚なんて考えられない。これからは何でも言うことを聞くから離婚だけは思い止まってくれ」と平謝り。お詫びの気持ちと言って自分名義の定期預金を妻の名義にしたりする。それでA子もしばらくは様子を見ることにした。
 気軽に浮気するのは男ばかりではない。先日B子が友人を連れて事務所にやってきた。「この前私の浮気がバレたときは先生にお世話になって問題解決したけど、今度は友達のC子の浮気がバレて旦那に責め立てられたので何とか助けてやってください」と言うのだ。C子も離婚する気などは毛頭なく、同窓会で昔憧れていた男に会い「今でもなかなかチャーミングだねえ」と褒められてついついその気になって1回だけホテルに行ったところ運悪く夫に見つかってしまったと言うのだ。
 週刊誌でも芸能人の不倫記事で盛り上がったりしているが、そもそも人間は結婚したからといって配偶者以外には目もくれないという訳にはいかず、チャンスがあればいとも簡単に不貞に走るような要素を持っているのかもしれない。
 以前ドイツに住んでいたときに、ドイツ人の女性から聞いた話。夫に浮気されないように、というか夫に気のある女性が近づかないように夫には沢山食べて太らせ、趣味の悪い服を着せているというのだ。そこまでするかと思うのだが。


2021年3月20日(土曜日)

3月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 11時35分48秒

 C子は交際している相手の男の子を妊娠した。当然男も喜んでくれるかと思ったら男は「まだ結婚すると決めたわけでもない、オレは今から子供を持ちたくはない、堕ろせ」と言う。C子はあきれ、怒り、悲しみ、もう男とは付き合わないと決心し、子供は産んで一人で育てる決意をした。
 出産してから男に認知と養育費の支払いを求めた。男はこれを拒否したので調停の申立をした。
 調停の席に出て来たのは男の祖父だった。曰く、「孫はこれから将来のある身だ。これから良い結婚をして良い家庭を築いてもらうのに、結婚前から認知した子がいるというのでは良い結婚ができない。お金はいくらでも出すから認知だけは勘弁してくれ」と言うのだ。そんなバカな話はないとC子は最初憤っていたがこれから先、無情な男がきちんと養育費を払い、子供を大事にしてくれるとは思えない。そんな父親なんていなくてもいい、むしろ一時金をたくさん取って男とは完全に手を切ろうと考え直し、将来の養育費として1000万円以上の大金を祖父から払ってもらい、認知は諦めて和解したのであった。
 賢い選択だったと思う。


2021年3月10日(水曜日)

3月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 11時35分06秒

 夫婦が離婚するとき、それまで夫婦が取得した財産を夫婦で分けることになる。仮に住宅を取得するときに夫名義にしたとしてもそれは夫婦の共有財産であるから名義の如何を問わず原則2分の1ずつに分ける。もしオーバーローン(ローン残高が建物の価値を上回っていること)であればマイナスの分を夫婦で2分の1ずつ負担することになる。
 この原則を説明したところ、A子は納得がいかないと言う。夫は遊びが派手で何人もの友達を連れて豪華に飲み歩き友達の分もおごるからいつもお金がなくてピーピーしていた。現に夫の給料が振り込まれる通帳残高は0に近い。これに反しA子は毎月夫から渡される給料、自分のパート収入をせっせと貯金し、欲しい物も我慢して20年の結婚生活の内に約500万円を貯め込んだ。それを夫婦財産として自分から夫に250万円を渡さなければならないというのは全く腑に落ちないというのだ。
 A子の言い分は最もである。しかし、婚姻中どちらがどれだけ費消したかをいちいち再現することなく、残っている財産を分けるというのが法律上の建前なのだから如何ともしがたい。夫が家庭を省みることなく豪遊していたというのがA子の慰藉料請求の原因になるとしても、それは不貞や暴力の慰藉料とは違ってそんなに大きな額にはならないだろう。
 財産分与に関して夫のほうからの不満というのは退職金に関してだ。離婚時にもし退職するとすればいくら退職金が貰えるかを計算して原則その2分の1を妻に財産分与として支払わねばならない。
 B夫の場合、一部上場会社で収益も高かったので50歳の今、退職すると約1000万円の退職金が出る計算だ。「奥さんが家事・育児をやっていたからあなたが心置きなく勤めることができたと考えるのだから、退職金は夫婦の財産だと考えることは仕方ないでしょう」と言うとB夫は「とんでもない、妻は若い頃から家事・育児は手抜きで友達と遊んでばかりいました。いつも実家に帰って気ままな生活をしていたのでその間私は自分で料理して子供たちに食べさせたり、会社の帰りに大量の買い物をしたり、土日は子供たちを遊びに連れ出したり、まさに一人二役をこなしていたのですよ」と言う。しかしそのような日常の生活態度で財産分与の割合が変わることはあまり考えられない。せいぜい日常の怠慢を慰藉料の原因と主張することは考えられるが、これもせいぜい数十万円にすぎないだろう。
 法律の考え方に対して不公平だと思う人は世の中にたくさんいるはずだが、個別のケースがどれだけその不公平を主張できるかは疑問なのだ。


2021年2月20日(土曜日)

2月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 11時34分16秒

 コロナの感染予防対策として在宅勤務が増えた。その結果、夫婦いつも一緒にいて、夫は外で飲まず家飲みで夫婦の絆が深まったというプラス派と、狭い家の中でリモートワークする夫がうざい、どこへも出掛けられずイライラが溜まりいつも夫婦喧嘩が絶えないというマイナス派に分かれているようだ。
 A子の場合、夫の在宅勤務が増えたことは致命的だ。夫は大会社の重役だが、いわゆるDV(ドメスティックバイオレンス=家庭内暴力)で、絶えずA子のことを「お前はバカだ、誰のおかげでこんな贅沢な生活ができていると思っているのか」と罵り、理由もなくA子に物を投げつけたり、小突いたり、足蹴にしたりしていた。
 それでも夫は出張や宴会が多く、あまり家にはいなかったのでいるときだけは口答えもせずじっと耐えていればよかった。それがここ数ヶ月オンライン会議で夫は家にいることが多く、うっぷんが溜まるのかことごとくA子に八つ当たりして日常の生活に事細かく指示し、それに従わないと暴力を振るう。あるときA子の母親が訪れてきてあまりにもA子が痩せて生気を失っているのにびっくりして医者に連れて行った。
 A子は自分がいわゆるDVの被害者だという意識はなかった。それというのは、DVの加害者にありがちなのは、常に暴力を振るっているというわけではなく、ときには「俺にはお前が必要なんだ」などと言って優しく、物を買ってくれたりするからである。しかもDV加害者には医者とか大学の先生とか社会的地位も収入も高い者が多い場合もあり、妻は「夫は偉い人、私はいたらない者」と思い込んでいて、自分をDVの被害者だと認識しないでいるのだ。
 A子は夫が投げつけたスマホが顔に当たり鼻の骨を折る怪我をしたのでもう我慢の限界と実家に帰り、母に伴われて私の事務所に相談に来た。A子は離婚すると今の経済的安定が失われると躊躇しているところもあるが、それならできるだけ沢山財産分与と慰藉料を取って別れましょうと提案するとやっとホッとした顔になった。


2021年2月10日(水曜日)

2月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 11時33分35秒

 ITに弱い私でもネットで検索することはよくある。今上映されている映画の題名や時間、食べに行きたい店の電話番号や所在地など。
 昨日は事務所に来た依頼者に着手金を請求したところ、その場でスマホを操作し、自分の口座から私の事務所の口座宛送金が完了しましたというので感心してしまった。
 例えば婚姻費用分担調停の申立なども、ネットで検索しどのくらいの収入があるか、子供は何人で何歳かなどのデータを入れればたちどころに適正な婚姻費用の額が出てくるので、弁護士に依頼しなくても自分で申立ができる。期日の請書とか期日変更申請書なども検索して自分で作成できる。自分で文献を調べたり、自分の頭で考えたりしなくてもよいことばかりである。
 だがどうしても自分の頭で考え、自分の言葉で相手に思いを伝えなければならないこともある。離婚を決意して子供と共に家を出て行った妻に、戻って来てもらいたいと自分の心情を切々と訴えた手紙を夫から預かった私は、その内容に心を打たれ、妻もこれを読んで考えを変えて夫の元に戻ってきてくれることを期待してその手紙を妻に郵送したのである。


2021年1月20日(水曜日)

1月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 11時32分47秒

 A子の夫はドイツ人。夫から離婚したいと言われている。その理由がA子には納得できない。夫は植物学者で日本各地を回って珍種を集め、標本を作ったり論文を書いたりしている。最近子供ができて夫はそれなりに子供をかわいがり、以前より家にいることも多くなってA子は喜んでいたのだ。それが、だんだん夫はふさぎ込むようになり、時にはA子に対して声を荒げたりする。この1ヶ月はまともに口も聞いてくれない。
 しかしクリスマスパーティーを開いて友人を招き、人前ではA子に優しくしてくれるし、プレゼントも贈ってくれる。
 A子の相談を受けて夫に離婚したくはない、離婚原因が納得できないという手紙を出したところ、夫が事務所にやってきた。離婚したい第一の理由は、自分の学問を追求するためには妻子が邪魔になるということだ。そんな勝手な言い分はないでしょうと反論したが、夫はそう言われても自分のことを理解してくれないA子の顔を見ているだけでイラつくし、このまま同居していると心底憎しみ合うことになる。少しでもまだ相手を思いやる気持ちが残っている間に別れたいと言うのだ。そして人前で妻に優しくするのは男としての礼儀に過ぎず、それを愛情と思ってもらっては困ると言うのである。
 さて、どうしよう。夫の言い分も全くわからないわけではない。しばらく毎月の生活費の支払いとか子供との面会とかの条件を決めて別居契約をするか。日本ではあまり別居契約は行われていないが、欧米では当たり前のことで私はとても合理的だと思っている。


2021年1月10日(日曜日)

1月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 11時31分28秒

 このコロナ禍で色々な行動が制限されている。入院・入所している家族との面会もままならない。人数も時間も制限され、しかもガラスやフィールドシート越しで直接触れ合うこともできない。そのために認知症が進行することも多くなったと聞く。
 私が相談を受けている85歳の男性も老人施設に入所し、急いで遺言を書きたいとの連絡で施設に面会に行こうと思ったが、なかなか施設の許可が出ない。それなら一時帰宅したいと申し出たがそれも叶わない。入所しないで自宅で頑張っていればよかったと後悔している。
 私が入っている尊厳死協会では、生前にリビングウイルを書いておいて、「私の傷病が、現代の医学では不治の状態であり、既に死が迫っていると診断された場合には、ただ単に死期を引き延ばすためだけの延命措置はお断りいたします。ただしこの場合、私の苦痛を和らげるためには、麻薬などの適切な使用により十分な緩和医療を行ってください。私が回復不能な遷延性意識障害(持続的植物状態)に陥った時は生命維持措置を取りやめてください」という希望を明示することを勧めているが、更に在宅医療、在宅看護も勧めている。「時々入院、ほぼ在宅」というキャッチフレーズである。在宅医療、在宅看護を支える訪問医、訪問介護師も増えている。リビングウイルの意思を尊重し、受容協力医師として登録する医師も増えている。自宅で尊厳ある死を迎えたいとの希望を諦めてはいけないと思う。日本を代表するノンフィクション作家の柳田邦男氏も「自分の最終章は自分で書く」として、「人生の文脈」の中で最終章となる月日をどう生きたら悔いなき最後を終えることができるかという視野の中でリビングウイルをしっかりととらえ、その趣旨を箇条書きなどにも生かしていくべきだと述べている。


2020年12月20日(日曜日)

12月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 11時30分29秒

 若者達と話していて時にびっくりすることがある。日本がアメリカと戦っていたとは知らなかったとか広島長崎に原爆が落とされた日、終戦の日を知らないとか。
 これは学校で教える歴史に問題があるのではないかと私は思う。縄文、弥生時代から教え始める。横穴式住居、竪穴式住居、貝塚がどこで発見されたとか詳しく教え、やっと夏休みに入る前に大化の改新まで行き着くかどうか。
 源平合戦、鎌倉、室町、江戸、明治維新に行き着くのに数ヶ月、三学期になると日清・日露、第一次世界大戦はかけ足で教え、大正、昭和、第二次世界大戦、戦後についてはほとんど記憶に残る授業はなかった。
 今の私の歴史に関する知識はほとんど小説、手記、ドキュメンタリー映画などによるものだ。
 ためしに歴史の授業を現代から始め、徐々に昔に遡ってみたらどうだろう。
 今の平和な民主主義はどうして得られたか、戦前はどうだったのか、明治維新は幕末政治の何を反省したのか、武士が力を持ったのは何故かという具合に。

 日本の相続法は、相続について先にいわゆる法定相続分=法律で相続人の相続分がどう決められているかについて規定し、その後に遺言に関する条文が出て来る。大抵の相続に関する教科書も条文の順番に従って先に法定相続分、次に遺言について書いてある。
 しかし理論的には遺言が優先で、遺言がない時には仕方がないから法律で定められた割合で分けるということになっている。
 私の学生時代、相続の講義をされた教授は、まず遺言の書き方、遺言の内容などを先に教え、遺言がない場合はこういう風に法律に従って分割するのだという教え方をされた。そのほうがずっとわかりやすい。だから私も講義する時はそれに従い、あえて条文の順番通りの話をしないのだ。


2020年12月10日(木曜日)

12月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 11時29分32秒

 A男の相談は借金の取り立てだ。中学校の同級生B夫にばったり会い、飲んで話すうちに金を貸してくれと頼まれ最初は3万、次に5万、それから何回か貸すうちに100万円近くになった。そこで一筆借用証を書いてもらった。
 仕事がうまくいったら返すと言われてもう2年になる。最近では連絡もつかなくなってしまった。もうこうなったら裁判しかないと私の事務所に来たのだった。ちゃんと借用証もあるから勝てるでしょうとA男は言うのだが、裁判で勝てるかどうかが問題ではない。問題は実際に取れるかどうかなのである。試しに住民票の住所の土地・建物の登記簿謄本を取ってみたがB夫の名義ではない。仕事も何をしているのかわからずB夫の収入や資産はほとんどゼロだと思わざるを得ない。そんな人を相手に裁判を起こして判決を取ってみてもB夫は裁判で負けたからといって払うような人ではないだろうし、強制執行しようにも押さえるべき財産もない。そんな人に何回にも渡って100万円を貸したことを反省するしかない。これ以上裁判にお金をかけないほうがいいと思いますよとA男に忠告するのも弁護士の仕事と私は思っている。


2020年11月20日(金曜日)

11月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 10時00分45秒

 A夫は友人B雄から頼まれて保証人になった。友人がローン会社から300万円を借りるに際し、担保になるような不動産も車もなかったので保証人をつけるよう要請されA夫に頼み込んだのだ。
 その時B雄は「あんたには絶対迷惑はかけない。借金は私が責任を持って払う。でも書類上保証人が必要なのでこの書類に署名押印してくれ」と言うのでA夫は信用して保証人欄に自署し、印鑑証明書もつけてやった。
 それから半年後、ローン会社からA夫宛に300万円払えという請求書が来た。
ローン会社からの文面ではB雄はほとんど借金を返済することなく、現在は連絡も取れていないということである。びっくりしてA夫はB雄に連絡しようとしたが電話もつながらない、郵便物も戻ってくる。要するに夜逃げ同然に姿をくらましたのだ。A夫はローン会社に「私には迷惑をかけないという約束で私はただ保証人欄に名前を書いただけなのだ」と言ってみてもらちが明かない。「あなたが払わないというのなら裁判にするしかない」とローン会社は強硬だ。

 そもそも保証契約というのはA夫とローン会社の契約で、B雄が「あなたには迷惑をかけない」と言ってもそれを以てローン会社に対抗することはできない。B雄と同様に私も責任を負いますよとローン会社に約束をした訳だ。ローン会社はB雄には担保物件もなく支払いに不安だから保証人を要求するのだ。保証人になる時は、自分で借りたつもりにならねばならない。昔からよく親の遺言で「絶対保証人にはなるな」と言い伝えられていると聞くが、それ程保証人になってひどい目に遭った人が沢山いるということだ。

保証人の一種に「身元保証人」というのがある。これは就職する際に、その者が使用者に損害を与えた時には替わりに身元保証人が賠償するものであるが、時には身元保証人が多大な賠償を要求されることがある。そこで2020年4月から
「身元保証に関する法律」が改正されて、身元保証人の責任について限度額を定めなければ無効とされることになった。また、就職した者の責任を長期間負うというのではなく、特に期間を定めない時は3年、定めても5年を超えるものは無効である。そして使用者に対して被用者の勤務状態や任務任地の変更などを通知するようにして身元保証人に過度の責任を負わせないようにしているのである。


2020年11月10日(火曜日)

11月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 09時59分57秒

 1年に何回か市民対象の法律相談の当番がまわってくる。区役所であったり、市民センターであったり、事務所待機であったり。
 大抵は離婚とか相続とか貸金とか、私の法律知識とこれまでの経験で何とか対応できるが、私の苦手はいわゆる「人権」相談ということである。
 先日の人権相談に来た女性の言い分は、常に車で追い回されている、誰かが私の上司に私の悪口を言ったため私は解雇された、家の前に汚物をぶちまけられている、すれ違いざま身体のあちこちを触られるというもの。警察にも相談したが何もしてくれない。どうにかしてほしいという。
 何か証拠があるかと聞くと何もない。近所の人は皆私が被害に遭っていることを知っているというので、では近所の人に作文を書いてもらうとか協力してもらえないかというとそれもできないという。
 せめてぶちまけられた汚物を写真に撮っておくとか、つけまわした車のナンバーを控えておくとか、何か手がかりになることをしておけばと助言する。
 もしかしたらこの人は被害妄想なのかもしれない。むしろ精神科の受診を勧めたら良いのかもと思うが、それもうっかり口にはできない。難しいところだ。


2020年10月20日(火曜日)

10月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 09時58分53秒

 長引くコロナウイルス感染危機の中、生活苦にあえいでいる人は沢山いる。政府は、アベノマスクを配布したり、GO TOトラベルやGO TO EATを打ち出したり、国民一人一人に10万円を給付したり、色々な政策を打ち出している。その事業規模は、100兆円を超えるという。日本は既に、1000兆円を超える借金を抱えているが、年間60兆円の税収であるとすると、更に国債など、国の借金が増えることになる。コツコツと家計簿をつけて家計を管理し、帳簿をつけて事務所の経営に苦心している者からすると、とても平気ではいられない国の現状だ。トランプ大統領に言われるまま大量のステルス戦闘機を買い入れたりしている場合ではないだろう。米中もコロナ問題を巡って対立している場合ではないだろう。軍事力でコロナウイルスは撃退できないことは明らかだ。
 国と国とが戦力を増強して争っている場合ではなく、国の枠を超えた実行力ある機関を作り、そこで人類共通の敵であるコロナウイルス撲滅の共同作業をすることは叶わぬ夢なのか。


2020年10月10日(土曜日)

10月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 09時57分59秒

 A子は夫亡き後しばらく一人で生活していたが、年を取って心細くなったので長男夫婦と同居することにした。A子宅に長男夫婦が転居して来ることになったが、2世帯用住宅に改築することとし、その費用は長男が支出することになった。そこで長男が「この際、この土地・建物をオレの名義にしてくれ。」と言うので、A子は言われるがままに長男名義に移転登記した。
 長男夫婦と同居した後のA子の生活は悲惨だった。ほとんど一室に閉じ込められ、嫁が食事を運んでくるだけで、自分で台所に立つこともできず家族の会話も無い。友人を自宅に招くことも禁じられている。こんなはずではなかった、もとの一人の生活に戻りたいと言うと長男に「これはオレの家だ。イヤだったら出て行ってくれ」と言われたと言う。名義を長男にするのではなかったと悔やむことしきり。
 だから私は色々な所で講演する度に、「自分の財産は死ぬまで自分で持っていること。不動産や預貯金を一時の甘言に乗せられて生前贈与するのは考えものですよ」と言っているのである。
 もう一つ私がくどい程言っているのは、「簡単にハンコを押すな」ということ。
 B子は、父親が亡くなって遺産相続の話になったとき、長男である兄から、「お前の面倒はオレが責任をもってみる。お前が結婚する時や、家を建てる時は、その資金援助はすべてオレが出す。だからオヤジの預貯金はすべてオレに任せてくれ。」と言われ、ほとんど長男が相続する旨の遺産分割協議に署名・押印した。実印の印鑑証明書まで付けて。
 数年後B子が結婚することになり、その費用を兄に請求したところ、「お前が働いて貯めた金があるだろう」と言われたので、「お兄さんが私の面倒を見る、費用は全部出すと言ったから、私は相続の時何も貰わなかったでしょ」と言い返したが、「そんなことを言った覚えは無い。オレが○○家の長男として家を守るために全部相続したのだ」と言って、取り合ってくれない。
 簡単に実印など押すのじゃ無かった。あの時せめて兄から「お前の結婚式費用、家の新築費用はオレが負担する」という一筆を取っておくのだったと後悔している。
 遺産、不動産、大きなお金のやりとりなどに関して、書類にハンコを押す前に、先ず弁護士に相談してほしいと色々な場で私は口を酸っぱくして言っているのだが・・・。相談料5千円で、大きな損失を未然に防げれば安いものではないですか。


2020年9月20日(日曜日)

9月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 09時56分48秒

 父親が死亡した。相続人は母親、長女A子、二女B子。
 その他に戸籍上は長男C男がいるのだが、高校卒業後いわゆる「自分探しの旅に出る」とふらりと家を出たっきり50年近くも音信不通である。
 母親とA子、B子の三人で遺産分割の協議がまとまり、不動産は母親が取得し、現金預貯金はA子とB子で半分ずつ相続することに決めて、自分達で遺産分割協議書も作成した。しかしいざ不動産の登記をしたり、預貯金をおろそうとしたら、これができないということがわかった。
 なぜなら遺産分割協議にC男が参加していないからである。
 困ったA子、B子が相談に来た。C男が行方不明となっている場合、いつまでも遺産分割ができないのかというとそんなことはない。解決するには二つの方法がある。
 一つは、A子、B子がC男の失踪宣告の申立をしてこれを家庭裁判所に認めてもらうことである。しかし、7年の期間満了で死亡が認められるので、7年も待っていられないと考えるのは当然である。
 もう一つの方法は、家庭裁判所にC男のための不在者財産管理人を選任してもらい、財産管理人が入って遺産分割協議を成立させることができる。私はこの方法を取ることにしたが、それでも手続きの繁雑さは免れない。
 後から言っても仕方のないことだが、父親が遺言を書いて母親とA子、B子の相続分をはっきり明記しておいてくれたならこんな面倒はなかったのだ。何ももらわないC男に法律的には遺留分を請求できる権利があるが、C男がこれを主張することはまず考えられないので面倒なく収まることになる。


2020年9月10日(木曜日)

9月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 09時55分27秒

 中国で国家安全維持法を制定し、これに基づいて香港は反政府活動の捜査に関する規則を施行した。
 これにより今まで比較的自由に中国政府を批判してデモを行ったりSNS上で意見交換などしてきた香港市民は今後、国家安全法に違反するインターネット上の書き込みを強制的に削除されるだけでなく令状なしで家宅捜索されたり、通信傍受されたり、全く自由に物が言えなくなってしまった。
 香港を逃げ出して台湾や英国で生活することを希望している人も少なくないと聞く。
 日本は自由に物が言えていいな、と思っているかもしれないが、おっと、特定秘密保護法という法律が平成25年に制定されたことをお忘れなく。特定秘密として防衛、外交、特定有害活動、テロリズムの防止が掲げられているが、秘密の範囲は曖昧で「安全保障に関する」と言われればなんでも秘密にされ、これに関する情報を漏らしたり、特定秘密を知ったという理由で逮捕、懲役にされる恐れもあるのだ。国は不都合な真実を覆い隠すつもりではないか、と国民は常に目を光らせる必要がある。


2020年8月20日(木曜日)

8月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 14時58分50秒

 先日宮城県の片田舎に遺産のことで出張相談に行った。話を聞き終わって帰ろうとしたら昼食に寿司の出前を取るから待ってくれと言われ、次の仕事もあるからすぐ帰ると言うと、奥から「先生さメシもかせねでけえしたら、ばんつぁんにごしゃかれっど」とじいさんの声がした。久しぶりに聞く立派な方言だ。「先生にご飯も食べさせないで帰したらばあさんに怒られる」と言うのである。
 昔はよく方言を聞いた。離婚したいという女性に亭主のどんなところが我慢ならないのかと聞いたら「たれかごかしのかばねやみ」だという。怠け者で仮病ばかり使っているということだ。
 私も東北で育ったので大抵の東北弁は理解できるし、自分でも東北弁を喋ることも度々だ。結婚したばかりの頃、夫の恩師から掛かってきた電話に私が「おばんでございます」と対応したら、夫から「東北弁で挨拶して恥ずかしいじゃないか」と言われた。「おばんでございます」は「こんばんは」の丁寧語だと思っていた。「こんばんは」なんてぶっきらぼうだから丁寧に「おばんでございます」と言ったつもりだったのだ。夫に「じゃあ『こんばんは』を丁寧に言おうとしたら何て言えばいい?」と聞くと「そんなのはない」という返事。
 例えば「いづい」という東北弁、これに該当する標準語はない。人の話を聞きながら「だれーん」「だれーん」と相槌を打つ。「誰がそんなこと言っているの?」という相槌で、こう言いながら聞くと喋るほうはますます興が乗ってくる。
 夫は広島県の出身で、帰省をすると「はよ来てみんさい、えげになっとるで」「そやからわしもそうゆうとったんじゃ」などと広島弁丸出しである。
 皆標準語で方言が聞かれなくなるのは寂しい。 


2020年8月10日(月曜日)

8月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 14時55分29秒

 A子は離婚を言い出そうかどうしようか悩んでいる。一度離婚の経験がある。前の夫は次々と高価なゴルフ道具を買ってゴルフばかりしてとうとう自営の商売は破産してしまった。死にたくなるほどの経済的困窮だったという。今の夫は仕事に精を出して沢山稼ぐがいわゆる女癖が悪く、次々と従業員の女性と不貞の関係を持って妻にバレると「悪かった、悪かった」と謝ってその度に洋服や宝石を買ってくれるが一向に改まらない。もう許せないと思うが今の贅沢な暮らしは捨てられないと悩んでいる。
 B子の夫は高校の教師で山岳部の顧問。常に生徒らとスキー合宿に行ったり山に登ったり、休みもほとんど家に居ない。食事や洗濯も部室で済ませたり、生徒らが面倒を見てくれるので私は妻として何も夫のためにすることがないというB子の悩み。
 C子は逆に夫があまりにも何もしないので、「汚れた靴下は洗濯バコに入れて、食べ終わった食器くらいは自分で台所に片付けて、仕事で使う小物は自分で買いに行って」と一日中怒鳴り散らしていてイライラがこうじて体調を崩し、この人とはもうやっていけないと離婚も考えている。
 人によって悩みは様々だとつくづく思う。


2020年7月20日(月曜日)

7月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 10時29分51秒

 黒川検事長が賭け麻雀をやっていたことが明らかになって辞職した。
1000点100円のレートで賭けていたことが明らかになり、これは刑法185条の賭博罪に該当するということで告発もされている。
 刑法185条は「賭博をした者は、50万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りではない。」と規定する。「一時の娯楽に供する物」とは判例で「関係者が即時娯楽のため消費するような物をいう」とされており、「金銭はその性質上一時の娯楽に供する物ではない」「敗者に一時の娯楽に供する物の対価を負担させるため一定金額を支払わせた場合は、賭博罪を構成しない。」というのも大正時代からの一貫した判例である。つまり負けた人が勝った人にお茶をごちそうしたり、会費制で勝った人が賞品をもらうという場合は不問に付するということである。
 しかし、今街中で営業しているいわゆる雀荘に集まる人達が全く金をかけないで麻雀をやっているとは思われない。1,000点100円までなら取締りの対象にならない、となんとなく巷でいわれているが、1円でも賭ければ賭博罪には該当するが、単にあるところまでは大目に見られているという現状なのである。それならいっそのこと「1000点100円までは許容する」という法律改正をやるか通達を出した方が良いではないかという意見もある。しかし一ヶ月10万円の生活費で暮らしている人と一ヶ月1,000万円の収入がある人と同じでいいのかという議論もあろう。意外と奥の深い問題である。
 これに似た問題で私がいつも疑問に思うのは速度規制である。先日も規制速度違反で捕まってしまったので頭にきている。
 40キロ制限のところを皆60キロ以上でビュンビュン飛ばしている。歩道との間にはガードレールもあるし、車道は二車線で幅もあるし見通しもよいのでなんでこんな道を40キロ制限にするのか訳がわからない。もし40キロ以下で走っていたらかえってスムーズな走行を妨げるのではないかと思ってしまう。
 私が捕まって速度監視器を見せられたら61キロになっていた。確かに速度違反である。しかし、40キロ以上で走行している車をすべて捕まえるのではない。速度監視器を60キロにセットして、60キロ以上の車を捕まえているのである。高速道路でも80キロ制限のところの取締機は100キロにセットして、それ以上の車を捕まえると聞く。80キロから100キロまではいわゆるグレーゾーンなのだ。それなら初めから規制を80キロではなくて100キロにすればよいと思うのだが、そうはいかないのだろうか。


2020年7月10日(金曜日)

7月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 10時28分52秒

 この時期、皆マスクをしている。夏で気温が上がった今でもマスクをして外出する。裁判所も再開したが、法廷でも部屋でも裁判官も書記官も当事者も皆マスク。
 ところが先日、東京地裁の裁判員裁判の法廷で弁護人が「マスクをしていたのでは全力で弁護できない、弁護人の口元、全表情を裁判員に見てもらいたい」とマスクの着用を拒否したという記事を目にした。
 確かに弁護士の法廷での演技力も必要かもしれない。私が昔、事件を共同でやっていた老弁護士のやり方を見てそう思ったことがある。依頼者と打合せしていたときに依頼者が一枚の紙を取り出した。相手方が書いた念書らしきものである。それはこちらの有利になる証拠だったので私は当然それを事前に証拠として裁判所に提出すべきと考えたが、老弁護士はそれを証人尋問当日に持って来るように言ったのだ。法廷での尋問当日、依頼者が尋問の席で「こんなものがあるのですが」と念書を取り出した。老弁護士は「どれどれ」と初めて見るような顔でそれを見て、さもびっくりしたように「裁判長、これは動かぬ証拠です。是非採用してほしい」と裁判官にアピールした。
 なるほどこうやって証拠価値を高める方法があるのかと新米の私は勉強したのである。


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