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2007年2月20日(火曜日)

2月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 05時19分28秒

 以前「話を聞けない男と地図の読めない女」という本が評判になったことがあり、これを読んで私はいたく感心したものである。

 私自身、全く地図が読めない女なのだ。商店街で、ある店に入り、店の中をぐるぐる回って外に出ると、もうどちらから来たのか分からなくなる、という方向音痴なのだ。

 以前は、支部の裁判所や現地に行くのに一苦労だった。だから、カーナビが発売されると早速取りつけた。それでも、「目的地周辺です。音声案内を終了します」と言われて、それから行き着くまでに苦労する。東西南北がわからないから、「〇〇を北に見て、そこを東の方向に曲がって…」などと言われても、理解不能だ。自分でも本当に困ったものだとは思っても、努力してもそう簡単に治るものではない。

 私の事務所を初めて訪れる人に、場所を聞かれることがよくある。

 「A通りを挟んで、Eホテルの真向かい」という説明ですぐ理解できる人と、そうでない人がいる。後者は相談に来ても、とても要領が悪い人が多い。

 要領の悪い話し方としては、

 1 主語のない話し方をする
 2 順序立てて話すことができない
 3 重要なことと、些細なこととごっちゃにして話す
 4 相手が何を知りたがっているか頓着せず、ひたすら自分の話したいこと
   だけを話す

があげられよう。

 逆に、場所の説明の呑み込みの早い人は、相談も要領が良い。要点をメモして、資料を揃えて、てきぱきと応対する。

 私も、どこかで要領の悪いことをやっていないかな?


2007年2月10日(土曜日)

2月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 05時15分57秒

 A男が、別れた妻B子からの手紙というのを持って、憮然として事務所にやって来た。

 手紙には、「あなたと別れた後、C男と結婚して子どもも生まれた。出生届を出そうとしたら、あなたとの離婚届を出してから三〇〇日以内に生まれた子どもなので、あなたの子どもだという推定を受け、今の夫との間の子どもとしては戸籍の受付はできないと言われた。そこで、あなたから自分の子どもではないという申立を家庭裁判所に出してほしい」という内容が書かれてあった。

 A男の言うところによると、B子は去年の春頃から、しきりに「別れたい」と言い出した。A男は、結婚して一年も経っていないのに、B子が別れたいという理由がわからず、いろいろ問いただしたが、「性格が合わない」とか、「結婚生活がもっと違うものだと思っていた」とか抽象的なことばかりで、納得がいかなかった。しかし、B子は、実家に戻ってしまい、離婚の意思が硬いようだったので、子どももいなかったことだし、金銭のやりとりはなしに去年の四月に協議離婚したということである。

 その後、B子は、いわゆる待婚期間(女性は離婚届をした後六ヶ月間は再婚の届ができない)を待って、一〇月にC男との婚姻届をしたようだ。さらに、一二月には子どもが生まれたらしいということは、B子はA男に別れ話を出した去年の三月か四月頃にはC男と交際しており、もしかしたら、その頃もうC男の子を妊娠していたのかもしれない。B子は、そんなことはおくびにも出さずにA男に離婚を迫っていたのだ。

 民法には、離婚から三〇〇日以内に生まれた子どもは婚姻中の夫の子と推定するという規定がある。これを覆すには、元の夫が、自分の子ではないという申立をして、それが裁判所で認められなければならない。A男にその申立をしてほしいというB子からの手紙だったのだ。

 A男が憤るのはもっともなことだ。A男は、B子からの要請は受け入れず、かえってB子とC男に不貞の慰藉料を請求することにした。

 しばらくして、家庭裁判所からA男宛呼出状が届いた。B子から、子どもはA男の子ではないという調停申立がされたのだ。子どもは、C男の子の可能性が九九・九パーセントであるというDNA鑑定書もあり、かりにA男が調停に出頭しなくても、審判で子どもはA男の子ではないということは確定するであろう。

 また、そうでなくては、B子だけでなく、A男としても困るのだ。戸籍上A男の子どもであるということになると、A男は自分の子でもないのに養育の義務を負い、自分の財産が相続されてしまうのだ。C男の子として戸籍に届出され、B子とC男は、A男に慰藉料を支払う、というのが結局の落ち着きどころであろう。

 離婚後、三〇〇日以内に生まれた子どもは夫の子と推定される、という規定ではあるが、離婚直前まで夫婦関係があるなんてことは滅多にない。また、先に述べた待婚期間についての規定は、女性が離婚後すぐに新しい男と婚姻届をすると、生まれた子が、前の夫の子か新しい夫の子かわからないということもあるので、六ヶ月は待たねばならない、という立法理由である。

 今、科学の発達により子どもの父親が誰かということは、比較的簡単に、しかも、一〇〇パーセント近い精度で判明するのだ。民法の規定は、見直されてもいいのかもしれない。


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