5月20日
仙台弁護士会では、ここ三年、夏になると中・高校生を対象にサマースクールをやっている。
午前中は、模擬授業で法律的なものの考え方や裁判のしくみなどを話し、午後は、模擬裁判をやって生徒に有罪か無罪かを判定してもらう。
私は、その担当の法教育委員会の委員長なので、毎年、今年は何をやろうかと考えをめぐらす。
今年は、八月七日、七夕の真っ最中にサマースクールを開催することにしたので、「七夕の一番町傷害事件」と題して、「七夕の混雑時に専門学校の学生と暴力団員風の男がぶつかり、男が怒って学生を引っ張ってどこかに連れていこうとした。学生が、これを振り切って逃げようとして、持っていたパソコン入りのカバンをふりまわして男にケガをさせた」という設定で、傷害の故意があったか否か、学生の正当防衛の主張が通るかどうか、などを考えてもらうこととした。
脚本作り、被告人役・被害者役をはじめ、検察官役・裁判官役・弁護人役・法定の廷吏役などすべて弁護士がやる。これまでも演技に熱が入ってきて、本番の時はすっかりその人物になりきって、ある時は絶叫したり、ある時はすすり泣いたりして傍聴人を喜ばせたものだ。
中・高校生のための模擬裁判とはいえ、自分たちで楽しんでいるみたいだ。
今年も、終った後の打ち上げのビールは、さぞおいしいだろう。