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2010年2月20日(土曜日)

2月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 13時06分29秒

 弁護士に依頼するタイプに、大きく分けて二通りある。

 一つは、「もうこれで安心」と思って任せっきりで、その後は自分で何もしようとしないタイプ。

 B氏がそうだ。

 土地の所有者で、飲み屋に土地を貸している。飲み屋は、借りた土地の上に、自分で店を建て飲み屋を経営しているのだが、二年前から不況で商売あがったり。毎月五万円の地代が滞りがちになったので、B氏が私に地代の取立を依頼してきたのだ。示談交渉をしているが、B氏は、とても滞納分を払うどころか、この先の支払いもままならぬと言う。では、店を取り壊して更地にして明け渡してくれと交渉しても、取り壊す費用もないと言う。そうなると、B氏としては、裁判を起こして土地明渡と滞納賃料を払えと請求するか、飲み屋の言いなりに、過去の賃料を放棄し、さらに、地代を下げて、今後とも貸し続けるか、方法を考えなければならないのだが、私からB氏に今後の方針について相談しましょうと連絡しても、B氏は、「いいようにして下さい。とにかく相手からお金さえ取ってくれればいいのだから」と言うばかり。「どうも飲み屋は本当にお金に困って払えないようですよ」と言っても、「そんなはずはない。飲み屋をやっているからには、収入はあるでしょ。何とか調べ出して下さいよ」と頼み込まれる。しかも、本裁判は、お金がかかるからやりたくないと言う。
 弁護士だって、何でもできる訳ではない。資産調査ができる訳でもないし、相手と交渉するのだって、こちらに切り札がない限りうまくいかない。それがわかってもらえず、ただただ「お任せします」と言われても困るのだ。

 もう一つは受任した後、頻繁に「どうなっている」と問い合わせの電話をよこすタイプ。

 C氏から、妻の不貞が発覚し、愛人である男性に慰藉料請求の示談交渉の委任を受けた。私は、仕事が速い方で、受任したその日に相手方に手紙を出したのに、翌日には、もうC氏から「相手から返事が来ましたか」と問い合わせの電話。「いえいえ、月末までに返事をくれと書いたから、もう少し待ちましょう」と説明しても、毎日電話をよこす。「相手から返事があったら、こちらから電話しますよ」と言っても、いてもたってもいられないのだろう。本人からのみならず、その姉という女性からも、「どうなってる」と電話が入る。男性の自宅のみならず、勤め先もわかったから会社にも手紙を出してくれと言う。

 B氏とC氏の中間のような依頼者が、一番好ましいのだが。


2010年2月10日(水曜日)

2月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 13時03分12秒

 依頼者A子の離婚事件が解決してしばらくして、A子から息子に会ってくれないかという電話があった。どういう用件かよく理解できなかったが、とにかく会ってみた。

 市内の公立高校二年の、体格も挨拶も立派な息子さんだった。彼曰く「親父は愛人を作って家を出てしまい、お袋はさんざん泣かされた。でも、先生に依頼して、愛人からも慰藉料を取り、親父ともまぁまぁ良い条件で離婚でき、お袋もやっと明るくなった。僕と妹も、親父からきちんと養育費が入るので安心して学校に行ける。これもひとえに、先生のおかげだとお袋は喜んでいる。僕は、今度の事件で、弁護士という仕事がよくわかった。僕も、是非弁護士になりたい。そのためにはどうすればよいか」という相談だった。

 私は、もちろん大喜びでロースクールのこと、司法試験のこと、修習のことなどを話した。彼は、目を輝かせ、メモを取りながら熱心に聞いていた。

 こんな息子を持ったら、母親もさぞ頼もしいことだろう。それに引きかえ、父親は、息子たちから尊敬もされず、「愛人を作って、母親を泣かせた男」という烙印を押され、いつか後悔するのではなかろうか。


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