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2010年3月20日(土曜日)

3月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 04時35分37秒

 ジェンダー法学会に出席した。

 講演があり、講師は、セクハラ、ドメスティックバイオレンスの事件で活躍している女性弁護士だ。

 今日のテーマは、「裁判員裁判と性暴力犯罪被害者」で、被害者のプライバシー保護と被告人の公平な裁判を受ける権利、といった難しい問題が提起された。

 先頃報道された青森の性犯罪裁判で、裁判員からは「犯行場面の調査の朗読が露骨すぎる」と批判されたが、それでは傍聴人には、見えない・聞こえない証拠調べがよいのだろうか。被告人は、証拠調べから排除されてよいのだろうか。

 以前、私は、先輩弁護士から次のような話を聞いたことがある。

 女友達を殺害した被告人は、「どうせ俺も執行猶予だろう」と嘯いていたという。直前に、障害のある子どもを殺した母親が執行猶予の判決だったからだ。そこで、先輩弁護士は、被告人に、自分のやったことを自覚させるために、証拠調べを省略せずに、証人も出廷を求めて詳細に審理を進めていった。

 遺族が涙ながらに、亡くなった被害者がどんなに将来に夢を抱いていたかなど証言するのを聞くうち、被告人は、だんだん自分の犯した罪の重さを自覚し、ようやく反省するようになったという。

 被告人が、犯罪を争っておらず、認めているからといって、簡便な証拠調べをすることはよくない。裁判の場できちっと犯行を再現することによって、被告人に反省と更正の機会を与えるのだ、といった先輩弁護士の言葉に、私は感銘を受けた。

 性犯罪についても、同じように考えるべきなのだろうか。


2010年3月10日(水曜日)

3月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 04時32分51秒

 一〇年前の依頼者A子が来た。

 A子は、夫から愛人が出来たので離婚したいと訴えられたが、和解で当分の間別居すること、その間の生活費の額を決めて毎月振り込んでもらうこと、夫名義の家にA子及び子どもたちが居住することを認めることを取り決めたのだった。

 それが一〇年経った今、夫は会社を退職し、愛人にも捨てられ、借家に一人暮らしをしているという。そして、A子に「よりを戻したい」と言って来たという。

 A子は、夫を愛人に奪われた一〇年前は深く傷つき、涙を浮かべて「私のどこが悪かったのでしょうか」と嘆いていたが、その後、娘たちが成長して、会社勤めをし、台所を手伝ってくれたり、外食したり、時には母娘三人で旅行をしたり、すっかり楽しい時を過ごしているという。そうした時に、いまさら夫から戻りたいと言われても…と困惑しているのだ。

 私は、退職金の半分とか、同居した場合の家事分担とか、いろいろ条件を出してみたら、とアドヴァイスしたが、夫は、自分が今でも妻子に受け入れられると思っているのだろうか。

 菊池寛の「父帰る」ならぬ、現代版「夫帰る」である。


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