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2010年10月20日(水曜日)

10月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 22時56分27秒

 B子は、今、仙台拘置所に拘留されている。

秋田の地方裁判所で、一年半の実刑の判決を受け、不服で控訴中なのである。 B子は、中等度の精神遅滞があり、仕事に就かず、家で母親の手伝いをしたり、父が経営するそば屋で、お茶を出したり、テーブルを拭いたり手伝いをしていたが、ある時、家事手伝いをサボって寝ていたのを母親に叱られ、自暴自棄になって、自分の部屋の毛布などに火をつけ、鴨居や天井など燃やしたという放火の罪で有罪になったのであった。

 私が国選弁護人となって、B子に会いに行ったら、しきりに反省し、「お母さんに悪いをことをした。早く家に帰って、真面目になってお母さんを助けてあげたい。お母さんは身体が弱くて、一人では重い物も持てないから、私がいないと大変なの」と涙ながらに話す。

 私から両親宛に手紙を書いたら、父親から返事が来たが、何と母親は先月胃ガンで亡くなったとのこと。「娘に知らせたらどんなに悲しむだろうと思うと、未だ知らせられないでいる。先生がこの次娘に面会に行った時に、先生から伝えてくれ」という内容だが、そんな重大なことを私から伝えるべきであろうか。どんな風に伝えたらいいのだろうか、悩んでいる。


2010年10月10日(日曜日)

10月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 22時54分26秒

 A男の妻は、パチンコに狂って、家事・育児はおろそかにして、A男に内緒でサラ金から借りてはパチンコにつぎ込んでいた。A男は、そんな妻に嫌気がさし、東京に転勤の話があった時、むしろ喜んで単身赴任した。単身赴任が二〇年にも及び、その間子ども達は結婚して独立し、A男に東京で好きな女性ができて、その女性と結婚したいと思っている。

 そこで、私は、A男の代理人となって、妻に対して離婚調停を申立てた。

 妻は、「生涯別居でよいが、離婚はしたくない」と言うので、調停が不成立に終わり、本訴を出した。当然、妻からは、A男の不貞を主張されたが、A男の言い分は、それ以前に夫婦関係は破綻している、破綻した夫婦に、貞操義務はないから不貞とは言えない、というものである。

 本人尋問当日、私からA男に対する尋問はうまくいったが、その後、裁判官からの質問、「裁判官でも単身赴任の人は多いけれど、土・日はたいてい家族の元に帰省するんですよ。あなたは、帰省しようとはしなかったんですか」。

 私は、当然A男から、「もう夫婦関係は破綻していてこれ幸いと単身赴任したのだから、帰省するつもりはなかった」という答えを期待していた。ところが、A男は、「帰ろうとは思ったんですが、なかなか仕事が忙しくて……」と言う。

 次に、また、裁判官からの質問、「あなたは、東京で好きな人との関係に入る前に、奥さんに離婚話は持ち出さなかったのですか。奥さんに対してすまないという気持ちはなかったのですか」。

 私は、当然A男から、「もう妻とは破綻していたので、すまないという気持ちはなく、いずれ離婚話をするつもりでした」という答えを期待していた。ところが、A男は、「妻にすまないという気持ちはあったのですが、なかなか言い出せなくて……」と答える。

 裁判官の質問に、「誘導質問です」と異議を申し出るわけにもいかず、代理人席でA男の愚答に、私一人イライラしていたのであった。


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