9月20日
よく「お忙しいところをすみませんが」という枕ことばが使われる。結婚式や集会などでも「今日はお忙しいところをわざわざお運びいただき……」と言われる。忙しいということはリスペクトの対象になるのだろうか。私はそうは思わないのでいつも違和感を覚える。
二昔前は、お金を沢山持っている人、稼ぐ人が羨ましがられた。一昔前は、お金よりも不動産を沢山持っている人が成功者とされた。今はどうだろう。不動産は負動産ともいわれ、その維持や処分が大変になった。
今は、時間を持っている人が裕福なのではないか。たっぷり何にもしばられない時間を好きなだけ使う。好きな時に映画を見たり、仲間と飲んでおしゃべりしたり、混雑を避けて平日に出かけたり、そんな余裕のある人がリスペクトされるのではないか。
だから「お忙しいところを……」というよりは、「折角おくつろぎのところを……」と言った方がピタリなんだがなぁ。