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2021年1月20日(水曜日)

1月20日

カテゴリー: - fujitasougou @ 11時32分47秒

 A子の夫はドイツ人。夫から離婚したいと言われている。その理由がA子には納得できない。夫は植物学者で日本各地を回って珍種を集め、標本を作ったり論文を書いたりしている。最近子供ができて夫はそれなりに子供をかわいがり、以前より家にいることも多くなってA子は喜んでいたのだ。それが、だんだん夫はふさぎ込むようになり、時にはA子に対して声を荒げたりする。この1ヶ月はまともに口も聞いてくれない。
 しかしクリスマスパーティーを開いて友人を招き、人前ではA子に優しくしてくれるし、プレゼントも贈ってくれる。
 A子の相談を受けて夫に離婚したくはない、離婚原因が納得できないという手紙を出したところ、夫が事務所にやってきた。離婚したい第一の理由は、自分の学問を追求するためには妻子が邪魔になるということだ。そんな勝手な言い分はないでしょうと反論したが、夫はそう言われても自分のことを理解してくれないA子の顔を見ているだけでイラつくし、このまま同居していると心底憎しみ合うことになる。少しでもまだ相手を思いやる気持ちが残っている間に別れたいと言うのだ。そして人前で妻に優しくするのは男としての礼儀に過ぎず、それを愛情と思ってもらっては困ると言うのである。
 さて、どうしよう。夫の言い分も全くわからないわけではない。しばらく毎月の生活費の支払いとか子供との面会とかの条件を決めて別居契約をするか。日本ではあまり別居契約は行われていないが、欧米では当たり前のことで私はとても合理的だと思っている。


2021年1月10日(日曜日)

1月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 11時31分28秒

 このコロナ禍で色々な行動が制限されている。入院・入所している家族との面会もままならない。人数も時間も制限され、しかもガラスやフィールドシート越しで直接触れ合うこともできない。そのために認知症が進行することも多くなったと聞く。
 私が相談を受けている85歳の男性も老人施設に入所し、急いで遺言を書きたいとの連絡で施設に面会に行こうと思ったが、なかなか施設の許可が出ない。それなら一時帰宅したいと申し出たがそれも叶わない。入所しないで自宅で頑張っていればよかったと後悔している。
 私が入っている尊厳死協会では、生前にリビングウイルを書いておいて、「私の傷病が、現代の医学では不治の状態であり、既に死が迫っていると診断された場合には、ただ単に死期を引き延ばすためだけの延命措置はお断りいたします。ただしこの場合、私の苦痛を和らげるためには、麻薬などの適切な使用により十分な緩和医療を行ってください。私が回復不能な遷延性意識障害(持続的植物状態)に陥った時は生命維持措置を取りやめてください」という希望を明示することを勧めているが、更に在宅医療、在宅看護も勧めている。「時々入院、ほぼ在宅」というキャッチフレーズである。在宅医療、在宅看護を支える訪問医、訪問介護師も増えている。リビングウイルの意思を尊重し、受容協力医師として登録する医師も増えている。自宅で尊厳ある死を迎えたいとの希望を諦めてはいけないと思う。日本を代表するノンフィクション作家の柳田邦男氏も「自分の最終章は自分で書く」として、「人生の文脈」の中で最終章となる月日をどう生きたら悔いなき最後を終えることができるかという視野の中でリビングウイルをしっかりととらえ、その趣旨を箇条書きなどにも生かしていくべきだと述べている。


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