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2011年1月10日(月曜日)

1月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 17時50分59秒

 A男は、所持金がなく、ひもじさの余りコンビニでおにぎり1個を盗ってポケットに入れたところ、警備員に見つかって警察に突き出された。

 盗ったおにぎりは、すぐ返してコンビニに被害はなかったものの、起訴されて懲役1年の実刑の判決が言い渡された。本人は、不服で控訴し、私が国選弁護人になった。

 A男には前科があり、懲役3年執行猶予5年で現在執行猶予中であるため、今回は、執行猶予が取り消されて合計4年間も刑務所に行かねばならない。

 A男は、今回のおにぎり1個の窃盗なんて不起訴でもいいのに、せめて罰金刑なら執行猶予は取り消しにならないのに、と不服で控訴したのだ。

 A男の気持ちが分からないでもない。しかも、所持金がなくて、ひもじさの余りおにぎりを盗ったということに同情も禁じ得ない。しかし、記録を読んでみると、A男は、リウマチの持病があり、働けないので生活保護を受けている。生活保護で支給された金を、ほとんどパチンコと競馬につぎ込んで無一文になったのであった。A男の前科というのは強盗致傷で、前回やはりコンビニで物を盗ろうとして店員に見とがめられ、押し倒して逃げた。その時、店員が大ケガをしたという事件であった。そんな重大な罪を犯していながら、せっかく執行猶予になったのだから、少なくともその期間中は、法令遵守に努めなければならないのに、ギャンブルの誘惑に負け、また前と同じようにコンビニで物を盗ろうなんて許せないと警察・検察でも考え、起訴したのであろう。

 面会に行くと、A男は、開口一番「こんな所にいるのはもう嫌になった。リウマチもひどくなってしんどい。早く保釈の手続きを取って、出してほしい」と言う。私が、「保釈保証金を出してくれる身内とか友人とかいるの?」と聞くと、父親とか友人とか何人かの名前をあげ、連絡先も教えられたので、片端から電話をしてみたが、誰もA男のために力になってやろうという人はいない。

 世の中を甘く見すぎている。こんな人に更正の道はあるのだろうか。


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