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2007年6月10日(日曜日)

6月10日

カテゴリー: - fujitasougou @ 05時40分03秒

 先日の誕生日で、私も六一才になった。
 なったというよりも、なってしまったという実感。
 私の両親は、いずれも七七才で亡くなったので、私も遺伝上八〇才以上は望めないだろう。あと十数年しかない余命なら、せいぜい面白おかしく毎日を過ごしたい。

 そこで、

   ,弔蕕い海箸呂靴覆
  ◆,泙困なは食べない
   心外なお義理の付き合いはしない

という三原則を自分でたてた。

 だから、今日相談に来たA子の話は、よく理解できる。

 A子の夫は、大きな商事会社のバリバリの営業部長で、これまでほとんど家にいることはなく、家事・育児はA子に任せきりだった。それが、退職して毎日家にいると、何かとA子に干渉する。それも些細なことで、「台所を散らかしている。その割には、手抜きでまずい料理しか作らない」、「そんな下らない週刊誌を読んで。だから、お前はバカなんだ」、「何だ、その服は。趣味が悪いな」、「三時までには帰ると言ったのに、四時ではないか。どこをほっつき歩いていたんだ」等々一日中夫の小言を聞いていなければならず、うんざりだとA子は言う。そして、たまにA子が口答えをしようものなら、こづきまわしてどこまでも追いかけ回すという。

 A子は、夫と既に寝室は別にし、家の中でもできるだけ顔を会わせないようにしているが、「私のあと二〇年かそこらの人生を、こんなつまらない毎日で終わらせたくない」と言うのだ。

 これまで、経済的には何不自由なく暮らして来たが、お金の心配はなくても、嫌な夫と暮らすよりは、多少不自由しても一人で楽しく暮らしたい。それにしても、生活の心配があるので、別れるとなったら、一体いくら位夫に請求できるかというのが、A子の相談内容である。

 A子の夫は、退職金五〇〇〇万円をそのまま預金している他、自宅の土地建物のローンも完済して、さらに親から相続したマンションは他人に貸して賃料収入もあるという。また、月に四〇万円近い年金も受給しているという。

 さて困った。まず、夫が離婚はしないと言った場合、裁判で認められるような離婚原因がないことだ。それならば、別居ということが考えられるが、別居時には離婚時と異なって、まとまった財産分与は請求できない。せいぜい婚姻費用分担という形で毎月の生活費を請求できるだけで、それもあまり高額ではなく、また、不払の時は給料と違って年金を差し押さえることはできない。

 それでも離婚に向けた示談交渉をしてみましょうかと私が尋ねると、A子は、「しばらく考えてみます」としょう然として帰っていった。

 こんな六〇代の女性が、世間にはたくさんいるのではないかなぁと、私も少しばかりウツの気分になってしまった。


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