8月20日
仙台弁護士会では、憲法九条について講師を派遣して出前授業をしている。
今のところ、婦人団体とか生協、コミュニティセンター、市民センター、私立大学などから要請があり、講師は大忙しだ。
昨日、講師の集りがあり、講義の内容、やり方などについて話し合った。
若手の弁護士は、パワーポイントを使用し、画面もバックに富士山の映像を入れたり、憲法改正の手続きの流れをわかりやすく図示したり、いろいろ工夫を凝らしている。
私も、中年男性で大会社の部長クラスの人たちを対象に、九条の話をしたことがあるが、「今の憲法は、敗戦後の押しつけ憲法だ」、「軍備を持たないで、国民の安全が守れるのか」、「現に北朝鮮は差し迫った脅威になっているではないか」といった改憲賛成の立場からの質問が多く、これに対し、憲法の基本的な考えである個人の尊厳・平和という理念を語っても、なかなか議論の次元がかみ合わないという実感を持った。
他の講師は、どんな説明をしているのだろう、具体的にどんな話をしているのだろう、ということは、私としても知りたいところで、講師の交流会はためになった。
ある弁護士は、井上ひさしが「子どもに伝える日本国憲法」の中で言っている次の言葉を紹介するという。
「戦争や、病気で苦しんでいる世界の人々を助けるために、日本ができることは、武器や兵士を外国に送ることではないはず。日本は力がある国ですから、その力を世界の人たちの役に立つ方向に使えば、りっぱに生きていけます。たとえば、防衛に使うお金を医学の研究に使ってがんに効く特効薬を発明するというように、世界の苦しみや悩みを解決するためにお金を使う。もっている力をそういう方向に向ければ、『あの国は世界にとって大切な国だから、あの国を絶対こわしてはいけない』と世界から思われるようになるでしょう。それをするだけの力と良識が日本にある、ということを私は信じています。」
私は、女性の集まりなら、「徴兵は 命かけても はゞむべし 母祖母おみな 牢に満つるとも」という女流作家の歌を紹介したいと思っている。
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