11月20日
ずい分肌寒くなってきた。
これからの季節、ホームレスにとってはさぞつらいことだろう。
私が、今、弁護している被告人は、住居侵入罪で拘留されている。
彼は、五五才だが、病弱でまともに仕事ができず、八五才の母親と一緒に母親の年金で生活していたが、母親が痴呆で施設に入院してからは、住むところも収入もなく、一回目はコンビニエンスストアでおにぎりを窃盗して捕まり、この時は起訴猶予、二回目は、いわゆる車上荒らしで捕まり、起訴されたが執行猶予。今回は、他人の敷地内の物置小屋に侵入したということで、家人からの通報で捕まった。
「物置小屋を開けたら、いきなり身も知らずの男、それも汚い身なりの男がうずくまっており、びっくりもしたし怖い思いもした」と家人は厳罰を望むと調書には書いてあるが、被告人は、風雨をしのぐつもりでやむを得ずちょっとお邪魔くらいのつもりで、家人を驚かすつもりなど全くなかったのだろう。
何とか再度の執行猶予の弁論をしたいとは思うが、はて、彼は釈放されても行く当てもなく、また再犯をくり返すのではなかろうか、と思うと、本当に執行猶予の方がいいのだろうかと考えてしまう。
生活保護を申請するところまで付き添ってやるべきなのだろうか。しかし、消費者金融からの借金もあると言っていたので、生活保護は受けられないだろうと、私まで暗澹たる気分になってしまう。
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