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2006年2月28日(火曜日)

夫のある夫人が「結婚詐欺に遭った」

カテゴリー: - fujitasougou @ 05時38分41秒

 恋愛に年齢はないというけれど……。

 先日、私の事務所に訪れて来たのは、初老の美しい夫人A子。
歳を聞くと、64歳とのことだった。

 A子が、「詐欺にあったから訴えたい」と言うので、てっきりお金か何かを取られたのかと思ったら、
そうではない。

結婚詐欺だという。

 付き合っていた55歳の男性B男と近いうちに結婚する約束だったが、その彼から、

「あなたみたいな人が、国分町に店を持ったらはやる」

と言われ、彼が借りたバーで、いわば雇われママさんとして働いた。

常連客もできて、まあまあの経済状態だった。

さらに、日中は彼のマンションに行って、掃除や洗濯もして、ひらすら彼に尽くして来た。

「それなのに、あぁ、その彼は、ダンスホールで知り合った若い女(47歳の美容師だという)の方が
良くなってしまって、私を捨ててしまったのです」

 A子と結婚の約束までしながら、B男は、今では国分町の店も売ってしまって、A子とは一切関わりを
持ちたくないという冷たい態度ならしい。

「彼が、今は新しい彼女と毎日ダンスをして食事をして、あのマンションに彼女を泊めて……と想像すると、
嫉妬で気も狂いそうだ。この悔しい気持ちを思うと、1000万円でも慰藉料を取ってやりたい」

という話だった。

 私 「何で彼とは結婚しなかったのですか」

 A子「それは……、私に夫がいるものですから……」

 私 「えーっ?それじゃ、あなたの方が結婚詐欺じゃない」

 A子「そんなことはありません。彼は、私に夫がいることを知っていましたし、
    それに、私は、いつでも夫に離婚届にハンコを押させる自信がありました。
    夫は、何でも私に逆らえない人なのです。ただ、夫に離婚の話を言いそびれて
    いるうちに……」

 私 「夫のある人との結婚は成り立ちませんよ。だから、当然あなたは結婚不履行を理由
   に慰藉料なんか請求できませんよ」

 A子「それじゃ、せめて労賃を請求できませんか。私は、2年間彼の身の回りの世話を
    して尽くしたのですから」

 私 「それも無理でしょうね。初めにきちんと雇用契約があったわけではないのだから」

 諦めて帰りかけたA子に、私が言った次の言葉がまずかった。

 「もっとも、あなたの夫からなら、彼に対して夫の座を侵害されたとして慰藉料の請求ができる
  かもしれませんが」

 数日後A子は、夫を連れて私の事務所にやって来た。

 「この人から彼に慰藉料の請求をさせます。先生、裁判を起こして下さい」

 借りてきた猫のように小さくなって何もしゃべらず、ただただうなずいてばかりいるA子の夫は、
哀れであった。

 私は、訴えを起こすことがこの哀れな夫のためになるとは、到底思われなかったので、お断りした。


2006年2月15日(水曜日)

別れた夫婦の間の子ども

カテゴリー: - fujitasougou @ 05時30分53秒

 夫婦の間で離婚の合意はできているが、その間の子どもの親権者をめぐって話し合いがつかず、調停に持ち込まれるケースが多い。

たいていは取り合いである。調停でも話がつかない時は、家庭裁判所が審判で決めるが、その時裁判所が考慮する内容としては先ず愛情。

しかしながら、この愛情というのはなかなか目に見えないもので、絶対子どもを手放したくないと言っている父親の本音は、養育費を払いたくないから、ということもある。逆に、母親の方が、子どもは夫にやるという本音が、子どもが嫌いなのではなくて、夫が愛人と一緒に暮らすのを妨害したいから、ということもあって、言葉の裏にある真の愛情を見定めるのがむづかしい。

 次に子どもの年令。生まれて間もない乳呑み子は、たいてい母親が親権者となるであろうし、子どもが大きくなって自分の意思をはっきりさせることができるようであれば、その意思を重視する。

それから現況、つまり、子どもが現在誰と同居しているか、これが裁判所の判断の重要な要素となる。

だから母親が子どもを連れて実家なりアパートなりで別居するようになったか、子どもを夫のもとに置いて自分だけ家を出たかでずい分ちがって来るのである。

 それを当事者も知っているから、すさまじい子どもの取り合いとなる。今でも印象に残っている事案を紹介しよう。

 農家に嫁いだA子は、姑の冷たい仕打ちにがまんできず、2歳の男の子(仮にアキラとする)を連れて実家に帰った。
嫁ぎ先のB家では、A子と離婚するのはいいが、後継ぎ息子だけはやれない、という訳で、アキラが保育所の砂場で遊んでいるすきに連れ戻した。

今度は、A子が何とかアキラを連れ戻したいと何回もB家のまわりを徘徊してすきを狙っているが、B家では、それを予想していつも姑がアキラをおんぶして片時も離さない。
思い余ったA子は、ある時包丁を隠し持って行って、姑のおぶい紐を切って泣き叫ぶアキラを奪い返した。

 BからA子に対して人身保護法による救済の請求がなされ、この事件で私は、子どものための国選代理人になったが、結局は離婚事件の方で和解が成立した。

アキラの戸籍上の親権者にはBがなったが、毎日養育監護するのはA子になった。

そして、1ヵ月に最低1回はBはアキラに会う機会を確保して、父子の接触をはかることとなった。また、当然BからA子にアキラの扶養料も毎月支払うこととなった。妥当な解決であったと思う。

 夫婦は離婚してアカの他人になるが、親子の縁は切れない。そこで、いつも問題となるのが離婚した配偶者のもとにいる子どもとの面接権である。

たいていは子どもは母親のもとにいて、父親から面接を求められるが、会わせたがらない母親が多い。その理由は、せっかくたてた教育方針やしつけをたまに会う父親が甘い顔をしてダメにしてしまうからとか、父親が子どもに「お前のお母さんは浮気な女だったよ」などと悪口を言うからとか、別れた夫のことはすっかり忘れてしまいたいから、など様々であるが、私は、原則としてできるだけ会わせる方がよいと考える。

自分にとっては憎くて別れた夫でも子どもにとっては一人しかいない父親で、成長の過程で父親に相談したいことも出て来るだろう。

また、父親も定期的に子どもに会うことによって、子どもが大きくなってたくさん食べ、進学もしたい、旅行にも行きたいという希望を理解して毎月の養育費を増額してやろうかという気にもなるのである。

別れた夫婦が、子どもと一緒に食事をしながらその後の苦労話などを語り合う、というのもいいではないか。


2006年2月5日(日曜日)

冷たい母と孫思いのおばあちゃん

カテゴリー: - fujitasougou @ 05時28分52秒

 親、特に母親が未成熟の子を保育・監護することは自然の本能だと言われてきた。ところが、最近の相談の事例をみると、必ずしもそうとは言えないのではないかと思われる。

 先日私の事務所を訪れたのは初老の婦人で、相談内容は次のようなことであった。

「娘のA子が、夫と離婚した。どうも原因はA子の不倫が夫にバレたことらしい。A子夫婦はずっと共働きだったので、生まれた子(仮に「健太」とする)は、ずっと祖母である私が育てて来た。今回の離婚の際、A子は新しい恋人と一緒になるのに、子どもはいらないというし、A子の夫も、『不倫するような女に子どもは預けられない』ということで、親権者は父ということにした。ところが健太は私の家を離れたくなくて、毎日『おばあちゃん、お願いだからボクをずっとここのおうちに置いてくれ』と泣いている。健太の父親が、何回もうちに来て子どもを引き取りたいと言うので、健太はいつもおびえて幼稚園にも行かないようになってしまった。私も健太を手許から放したくないので、健太の父親に何とかしばらくはこのままの状態にしておいてくれと頼むのだが、彼は裁判にかけて子どもを取ってやる、と言っている。どうしたらよいのでしょう。」

 子どもの両親が夫婦である場合は、両親が共同して親権を行うが、両親が離婚する場合には、その一方だけが親権者となる。そして、親権者となった者が子どもと同居して、実際に監護・保育・教育するのが普通である。もし、未成年者に対して親権を行う者がないとき(例えば死亡、親権の喪失親権を濫用し、または著しく不行跡があって家庭裁判所が親権の喪失を宣告した時など)は、祖父母が後見人として未成年と同居して監護等できるが、本件の場合、健太の父親が親権者であるからには、祖母には健太の後見人になる方法はないのである。

 健太の父が、「裁判」と言っているのは多分、子どもの引渡しの請求のことと思われるが、この裁判では勝っても強制的に子どもを連れて行くことはできず、子どもを引き渡さない時は1日当たり金○○円を支払え、といういわゆる間接強制の方法によらざるを得ない。

 A子に考え直してもらって、A子の申立で「親権者変更の申立」を出して協議するしかないと答えたものの、A子は、今や好きな彼氏と二人でルンルン気分で全く健太のことは眼中にないそうで、健太と祖母が夜も眠れぬ毎日を送っているのである。

 母性は本能ではないのか……。


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