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2006年3月30日(木曜日)

「押してダメなら引いてみな」

カテゴリー: - fujitasougou @ 05時54分55秒

 私が家庭裁判所の調停委員として関与した事件の話である。

 A子は、一流バーのホステスとして売れっ子で、客にモテモテでいつも帰宅が遅くなるのを嫉妬した夫が、度々店に来ては嫌がらせをしたり、A子に暴力をふるったりするので、たまりかねてA子は家を出て離婚を決意したが、夫が応じないので調停の申立をした。

それが4月のこと。

夫は絶対別れないと頑張り、何回か調停がくり返されて双方の言い分を聞く内、夏も秋も過ぎて初冬にさしかかったある日の調停のこと。

 雪がちらほらする中をコートも無しで出て来た夫は、これ以上頑張ってもA子の気持を変えることはできないとわかって、離婚に応じるつもりでいた。

二人の間には子どもも居らず、財産的な問題も無かったので、次回に離婚届を用意して協議離婚を成立させようということになった(同じ離婚でも戸籍記載の体裁上、調停離婚ではなしに協議離婚の形をとりたいと思う人が結構多い)。

 帰りがけにA子は夫に声をかけた。

 A子「あんた、寒そうな格好して。コート着ないの?」

 夫 「お前が出て行った後、どこに何があるのかさっぱりわからなくて不便してるんだ」

 A子「んじゃ、これから私、あんたの家に行って冬物出してあげるから」

 さて、最後の調停の日、A子は夫のもとに戻ることにして離婚の調停を取り下げた。
夫の気持の中には明確には「押してダメなら引いてみな」というかけひきは無かったとは思うが、私はこの事件とこの格言をいつもセットで思い出すのである。

 昨日も1つ離婚の調停が成立した。

 これは、私は妻の方の代理人であったが、妻の言い分は、夫の煮えきらない態度、いつも姑の味方ばかりで妻の言い分を何一つ聞いてくれないこと、ケチでこうるさくて子ども達にもいつも経済的にがまんをさせることが多くて、父親として失格なこと、従って慰藉料と財産分与と合わせて少なくとも2000万円は請求して離婚したいというものであった。

夫の性格からして調停は難航することが予想されたが、何と夫は、2回目の調停で妻の要求に応じ、妻の方が細かいこと、例えば家具は何が欲しい、車の名義をかえてくれ、子どもの生命保険の受取人を自分にしてほしい等という要望を出したのに対し、実におうような態度で、「あっ、いいよ」とうなづくのである。

 帰りがけに、妻がぽつんと言った。

 「早まったかな」

 人間の気持は実に微妙なものである。


2006年3月15日(水曜日)

夫婦の別居期間

カテゴリー: - fujitasougou @ 05時51分30秒

 男性Aは、妻子がありながら、行きつけのバーのホステスと深い仲になり、結婚を約束した。妻に離婚してほしいと頼んだが、妻は聞き入れてくれない。

そこで、Aは、家を出てホステスと同棲を始めた。何回か妻に離婚を迫って調停も出したが、妻が応じないので、5年後Aは妻を相手に離婚の裁判を起こした。

 このような場合、裁判でAの主張を認めることはAのわがままを許し、いかにも妻がかわいそうだと誰もが思うことでしょう。

日本の裁判の考え方も、責任ある者からの離婚の請求は許されないという、いわゆる有責主義をとって、ずっとAの請求を認めない立場を貫いて来た。

 これに反し、いわゆる破綻主義の考え方は、どちらに責任があろうと夫婦の間が破綻していれば離婚せざるを得ない、というもので、イギリス、ドイツ、アメリカなど多くの国でこの考え方がとられている。

その場合、破綻の原因を作った方が相手に対して慰藉料を支払うのは当然であるが、お金のある人はいいとして、無い場合はどうしても十分な慰藉料を夫から取れないまま離婚になるケースが多い。

そこで最近アメリカでは、やはり有責主義をとった方がよいのではないかという議論が持ち上がっているという。

 日本では今、離婚制度の見直しが審議されていて、5年間程度別居している場合には、これを離婚原因としようという方向で改正される可能性が強い。

その背景には、最近ではむしろ妻から夫に対して離婚を要求するケースが多く、昔と比べて妻の経済力や社会的地位もずっと強化されたのであるから、もはや棄妻防止という有責主義の効果を考える必要はなくなった、という事情がある。

 果たしてそうであろうか。

 先日私のところに相談に来た女性は、看護学校に通ういわゆる学生妻で、医者である夫の助けになろうと勉強中であるが、夫に女医さんの愛人ができて、

「もうお前は必要でなくなった」

と言われ、離婚を迫られているという。

夫は、女医さんと同棲していて、彼女には最低限度の生活費しか送金しない、彼女は妊娠4ヶ月で、夫が自分の元にもどって来るのを信じて待っているというが、こんな状態がいつまでも続くと、否応なしに離婚になってしまうのでしょうか、と不安を訴えている。

このようなケースもまだまだ日本には多いことを考えると、私はいちがいに改正案に賛成することはできない。

 皆さんはどう思われますか。


2006年3月5日(日曜日)

不貞の慰藉料

カテゴリー: - fujitasougou @ 05時47分33秒

 男性に妻がいることを知っていながら、その男性と関係を持った女性は、妻の座を侵害して妻に精神的苦痛をこうむらせた、という理由で慰藉料の支払義務がある場合が多い。

不貞の慰藉料といわれるものだが、これがいったいいくら位が相当なのかよく聞かれる。しかし、ケースバイケースで一口にいくらとは言えない。

 私の取り扱ったケースで、最高は900万円であった。

 これは、夫が下請建築会社の社長で妻との間に3人の子どもがいるのに、元請会社の社長の娘と愛人関係になって、子どももできた。妻には出張だとか現場に泊り込むなどとウソを言っては、愛人宅に泊っていた。
また、愛人名義で土地を購入して、資材置場にして愛人に賃料を払い、さらに、愛人を社員扱いにして給与も払っていた。
妻は夫を信じて、姑とも仲良く暮らし、育児に専念していたが、会社の従業員の口から愛人がいるのを聞いて事態が明らかになった、というケース。

 今までウソを通して来た夫は、事が明らかになった時、愛人を選択して妻に対して離婚調停の申立をしたが妻は離婚には応ぜず、かえって愛人に1000万円の慰藉料の請求をしたところ、判決で900万円が認められたのである。

 私の取り扱ったケースで、最低は30万円。

 これは、夫が医者で看護婦と愛人関係になって、子どもができ結婚の約束をしながら、なかなか妻と別れてくれないので、業を煮やした看護婦が、直接妻に
「早く別れてほしい」
と談判し、妻に初めて愛人の存在がわかった、というケース。

 このケースでは、夫が妻を選択し、
「愛人関係を清算したいと思っていたが、バラすと言われてできなかった。今度こそ手を切る」
と妻に謝って500万円の自分の定期預金を妻に渡したので、妻は夫を許して離婚は思いとどまり、看護婦に500万円の慰藉料を請求したが、判決で30万円しか認められなかった。
妻はこれを不服として控訴したが、控訴審でも50万円しか認められなかった。

 この様に様々なケースがあるので一概にいくらと言えないのであるが、聞くところによると、ドイツやフランスでは、日本と違って愛人に不貞の慰藉料支払義務はないという。夫婦間では守操義務があって、これに違反した場合、配偶者に慰藉料を支払わなければならないのは日本の法律と同じであるが、配偶者の愛人は、いわば恋愛の自由という名のもとに行動したのであるから何ら債務は発生しないというのである。

 これを聞いて、
「私もドイツやフランスに生まれたかったわ」
という女性もいるが、妻の地位が日本と比べると不安定であるから、他の女性に夫をとられないように結婚後も妻は自分の魅力を維持するよう努めなければならないのも事実であろう。

 あなたはどちらに生まれたかった?


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